新潟県中越地震体験記4 [新潟県中越地震・災害]
見上げれば、月が妙に明るく輝いています。
近くのダムの発電所もこうこうと電気がついていて、いつもと変わらない様子。
しかし、辺りは暗く沈んで、明かりといえば懐中電灯と車の明かりだけ。
携帯電話はもう通じません。でもメールはかろうじて使えるようです。
こうなって初めて、停電時に子機が使えない家の電話は、役立たずだということに気づきました。
少しづつ落ち着いて来た私の脳裏にかすかに浮かんだもの。
「イッチョウユウジノサイハ…」そうだ私は消防団だったっけ。
「チョウミンノセイメイトザイサンヲマモル…」
まずは現状把握が先か。
「他の家を見てくる」
じきにカミサンも帰ってくるだろう。
子供をじぃばぁに任せ走り出す。
走れ。
真っ暗闇の中を走るのは、夢の中で何かに追われて走っている時のようで、とても非現実的です。
足は動いているのに少しも前に進まない。
走れ。走れ。走れ。
心の中でそう叫ばずにはいられませんでした。
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