トイレは終わりましたっ [ちょっといい話]
先日、県内のある観光地へ行ってきました。日本海と新潟平野を一望できる、あの山と言えばお分かりでしょうか。ほとんど頂上までクルマで行けるので、子供らを連れて観光気分。天気も良かったので景色も良くて、佐渡島がすぐそこに見えました。
見晴台のような公園に登ったり、広場を走り回ったりして、しばらく遊び、そろそろ夕方になるし、帰ろうかといったところで、下の子がトイレに行きたいと言い出しました。ワタシはここに来てすぐにトイレに行ったのですが、ここのトイレって売店の中を通って反対側の、また外へ出たところにトイレがあるんですよね。戻るにはまた売店の中を通らないと出てこれないという変な作り。なので取り合えず、子供の手を引き売店に向かって歩いて行くと…。何やらもう店じまいをしている様子。
店が閉まったらトイレに行けないな〜、困ったな〜。と思いつつ入り口から覗いてみると、奥のトイレに出る方のシャッターは閉まってます。あちゃー、間に合わなかった。と一瞬固まったところに、掃除中の若い係員のお兄さんがやってきました。
「あのートイレって…?」
恐る恐る声をかけてみました。
お兄さんは一瞬、どうしようかな…と呟きながらも、何かを決断。
「こちらへどうぞ」
売店横の展望台チケット売り場側にある別のトイレを教えてくれました。恐縮しながらもお兄さんに案内されて店内中ほどまで来たところで、突然大きな声がかかりました。
「ダメッ!入れないでっ!」
年配の係員が、案内してくれているお兄さんに向かって叫びました。
思わず立ち止まる私たち。すると今度はワタシに向かって叫びます。
「トイレは終わりましたっ!」
…。
はぁまぁそれはわかってます。別に無理やり入ってきたわけでもないのに、そんな頭ごなしに怒鳴らなくても良いのでは?若い係員のお兄さんも、くぅぅ…って困った顔をするのがわかりました。
固まっていたのも一瞬だったでしょう。
こんな人にかまっていてもラチがあかないのは経験で知ってますから、ワタシはさっと引き返しました。
「しょうがない。ソッコー山を降りよっ」
と下の子に言い、手を引いて売店を出ました。
その背中に向かって、また大声が。
「その辺で…」
たぶん、その辺でするなよって言われたんだと思いますが、かまうことはない、というかこっちはトイレが最優先なので、完全無視で出てきました。若いお兄さんは申し訳なさそうな感じで、途中まで一緒に出てきて、また掃除に戻っていきました。
せっかくムリをのんで案内してくれたのに、結果的に嫌な思いをさせてしまい、そのお兄さんには申し訳ないことをしたなと思いました。
最近の若者はマニュアル世代で決まったことしか出来ないと良く言われますが、本当にそうでしょうか?接客サービスに限ったことかもしれませんが、TDLとかのサービスに触れたりする機会が多いこともあるのか、若い人のほうが突発的な出来事に対する臨機応変な接客が出来る、良い素地を持っているな〜と思いましたね。
とはいえ、決まっていることを頑なに守り抜くことが悪いことではありません。だからあの年配の係員も一概に悪いとは言えないとも思います。ただ強いて言うなら、もっと言い方ってものがあるだろうとは感じました。
「それでも人間が好き…でいたい」なんてこんなblogを立てているワタシだったから良かったようなものの、他の人だったら「もう二度と行くものか!」って思ったはず。
後味の悪い、嫌な思い出…これは、観光地として最もしてはならない接客でしょう。下の子は、よほどショックだったのか、ふもとのコンビニでトイレを借りても、しばらくは声が出ないままでした。
あえて1分1秒でも過ぎたらお客にトイレは使わせないと取り決めるのも良いでしょう。それなら、店じまいを始める前、せめて売店入り口に「トイレは終了しました」という大きな看板を出すくらいはしても良いんじゃないかと思いました。
また、売店の営業時間の掲示より、トイレの使用可能時間を掲示するほうが、よっぽど重要です。空腹は我慢できても、トイレの我慢には限界がありますからね。
さらに言えば看板に「最寄のトイレへの地図」と「所要時間」があればばっちりですね。それならこちらも、細かい心遣いに感動し、気持ち良く、「また来よう!今度は時間に余裕を持って」とか思うわけです。
もしかすると、あの年配の係員も、たまたま虫の居所が悪かっただけかもしれませんし、早く帰らなければいけない用事があったのかもしれません。別にそれならそれでも良いのですが、というか、であればなおのこと、如何にお客に悪い印象を持たせないで帰っていただくか、ということも考えたほうが良いと思います。
ぜひ「トイレ終了」の看板は出して欲しいですね。
さてさてそんな事件?があった数日後のこと。
荷物を送るので、ある宅急便の営業所に行きました。直前までバタバタしていたため、これまた当日発送終了時間ぎりぎり。あんなことがあったばかりなのに、またかよ…と自己嫌悪を感じながらも、急ぐ荷物ではないため翌日の発送扱いでも良いやと思い、あえて持ち込みました。
急ぐときにはいろいろあるもので、トランクを開けてみたら送り状がない。やばっ、もしかして忘れてきた?と思いつつ、よくよく探してみるとシートの下に落ちている。そうこうしているうちに発送時間は5分ほど過ぎていました。
まぁ、それは最初から了解の上。明日の発送で良し。荷物を抱えて入り口まで行くと、大きな看板が立っている。
「本日発送分受付は終わりました。集荷はできます。そのままお入りください」
そうだよ、そうだよ!
こういう対応。これが普通なんじゃないの?
と思いつつ受付へ。
「お願いします」
と荷物を置くやいなや、受付のお姉さん、バタバタと慌てだしました。
「あっいやっ…」
明日の発送で…と言う隙も与えず。右手でハンディターミナルを操作しつつ、左手ではラベルを貼りながら、顔も上げずに、お姉さんは言いました。
「今日…送ります…ね」
すっすごい…。
この違いは何だろう。
一事が万事そうあるべきとは言いません。でも、これが今流行のユーザーエクスペリエンスっていうやつなのかなと思いました。ワタシ、宅急便はもう絶対ココと決めました。ただいま顧客満足度最高潮っ、です。
なんだか愚痴で始まったこの記事、最後は猫のおかげで大逆転。
ちょっといい話、ということにさせてくださいね。
見晴台のような公園に登ったり、広場を走り回ったりして、しばらく遊び、そろそろ夕方になるし、帰ろうかといったところで、下の子がトイレに行きたいと言い出しました。ワタシはここに来てすぐにトイレに行ったのですが、ここのトイレって売店の中を通って反対側の、また外へ出たところにトイレがあるんですよね。戻るにはまた売店の中を通らないと出てこれないという変な作り。なので取り合えず、子供の手を引き売店に向かって歩いて行くと…。何やらもう店じまいをしている様子。
店が閉まったらトイレに行けないな〜、困ったな〜。と思いつつ入り口から覗いてみると、奥のトイレに出る方のシャッターは閉まってます。あちゃー、間に合わなかった。と一瞬固まったところに、掃除中の若い係員のお兄さんがやってきました。
「あのートイレって…?」
恐る恐る声をかけてみました。
お兄さんは一瞬、どうしようかな…と呟きながらも、何かを決断。
「こちらへどうぞ」
売店横の展望台チケット売り場側にある別のトイレを教えてくれました。恐縮しながらもお兄さんに案内されて店内中ほどまで来たところで、突然大きな声がかかりました。
「ダメッ!入れないでっ!」
年配の係員が、案内してくれているお兄さんに向かって叫びました。
思わず立ち止まる私たち。すると今度はワタシに向かって叫びます。
「トイレは終わりましたっ!」
…。
はぁまぁそれはわかってます。別に無理やり入ってきたわけでもないのに、そんな頭ごなしに怒鳴らなくても良いのでは?若い係員のお兄さんも、くぅぅ…って困った顔をするのがわかりました。
固まっていたのも一瞬だったでしょう。
こんな人にかまっていてもラチがあかないのは経験で知ってますから、ワタシはさっと引き返しました。
「しょうがない。ソッコー山を降りよっ」
と下の子に言い、手を引いて売店を出ました。
その背中に向かって、また大声が。
「その辺で…」
たぶん、その辺でするなよって言われたんだと思いますが、かまうことはない、というかこっちはトイレが最優先なので、完全無視で出てきました。若いお兄さんは申し訳なさそうな感じで、途中まで一緒に出てきて、また掃除に戻っていきました。
せっかくムリをのんで案内してくれたのに、結果的に嫌な思いをさせてしまい、そのお兄さんには申し訳ないことをしたなと思いました。
最近の若者はマニュアル世代で決まったことしか出来ないと良く言われますが、本当にそうでしょうか?接客サービスに限ったことかもしれませんが、TDLとかのサービスに触れたりする機会が多いこともあるのか、若い人のほうが突発的な出来事に対する臨機応変な接客が出来る、良い素地を持っているな〜と思いましたね。
とはいえ、決まっていることを頑なに守り抜くことが悪いことではありません。だからあの年配の係員も一概に悪いとは言えないとも思います。ただ強いて言うなら、もっと言い方ってものがあるだろうとは感じました。
「それでも人間が好き…でいたい」なんてこんなblogを立てているワタシだったから良かったようなものの、他の人だったら「もう二度と行くものか!」って思ったはず。
後味の悪い、嫌な思い出…これは、観光地として最もしてはならない接客でしょう。下の子は、よほどショックだったのか、ふもとのコンビニでトイレを借りても、しばらくは声が出ないままでした。
あえて1分1秒でも過ぎたらお客にトイレは使わせないと取り決めるのも良いでしょう。それなら、店じまいを始める前、せめて売店入り口に「トイレは終了しました」という大きな看板を出すくらいはしても良いんじゃないかと思いました。
また、売店の営業時間の掲示より、トイレの使用可能時間を掲示するほうが、よっぽど重要です。空腹は我慢できても、トイレの我慢には限界がありますからね。
さらに言えば看板に「最寄のトイレへの地図」と「所要時間」があればばっちりですね。それならこちらも、細かい心遣いに感動し、気持ち良く、「また来よう!今度は時間に余裕を持って」とか思うわけです。
もしかすると、あの年配の係員も、たまたま虫の居所が悪かっただけかもしれませんし、早く帰らなければいけない用事があったのかもしれません。別にそれならそれでも良いのですが、というか、であればなおのこと、如何にお客に悪い印象を持たせないで帰っていただくか、ということも考えたほうが良いと思います。
ぜひ「トイレ終了」の看板は出して欲しいですね。
さてさてそんな事件?があった数日後のこと。
荷物を送るので、ある宅急便の営業所に行きました。直前までバタバタしていたため、これまた当日発送終了時間ぎりぎり。あんなことがあったばかりなのに、またかよ…と自己嫌悪を感じながらも、急ぐ荷物ではないため翌日の発送扱いでも良いやと思い、あえて持ち込みました。
急ぐときにはいろいろあるもので、トランクを開けてみたら送り状がない。やばっ、もしかして忘れてきた?と思いつつ、よくよく探してみるとシートの下に落ちている。そうこうしているうちに発送時間は5分ほど過ぎていました。
まぁ、それは最初から了解の上。明日の発送で良し。荷物を抱えて入り口まで行くと、大きな看板が立っている。
「本日発送分受付は終わりました。集荷はできます。そのままお入りください」
そうだよ、そうだよ!
こういう対応。これが普通なんじゃないの?
と思いつつ受付へ。
「お願いします」
と荷物を置くやいなや、受付のお姉さん、バタバタと慌てだしました。
「あっいやっ…」
明日の発送で…と言う隙も与えず。右手でハンディターミナルを操作しつつ、左手ではラベルを貼りながら、顔も上げずに、お姉さんは言いました。
「今日…送ります…ね」
すっすごい…。
この違いは何だろう。
一事が万事そうあるべきとは言いません。でも、これが今流行のユーザーエクスペリエンスっていうやつなのかなと思いました。ワタシ、宅急便はもう絶対ココと決めました。ただいま顧客満足度最高潮っ、です。
なんだか愚痴で始まったこの記事、最後は猫のおかげで大逆転。
ちょっといい話、ということにさせてくださいね。
ぽむさん
そっとnice!をありがとうございます。
by GEN11 (2013-07-08 22:14)