40年ぶりの家庭訪問：それでも人間が好き…でいたい：SSブログ

	ブログをはじめるログイン

40年ぶりの家庭訪問　[今を生きる] [編集]

かれこれ40年前に担任だった先生から連絡があり、ウチに見えることになりました。ウチの親父が亡くなったことを、どこからか聞いたらしく、御線香をあげさせてくれ、とのことでした。

実はこの先生、時代と学校は違うけれど、カミサンもお世話になった先生なんです。ワタシたちが結婚した頃、二人でいる時にたまたま街で顔を合わせたことがありました。その時も、ワタシのこともカミサンのことも覚えておられ、二人が結婚したことをすごく喜んでもらいました。
今回、図らずも40年ぶりの家庭訪問となったわけですが、上がりこむ早々、二人の馴れ初めなどを根掘り葉掘り説明させられ…（汗）。もしかして、そっちが目的だったりして？…いや、まあ、喜んでいただけて良かったデス。

彼女ももう80歳を超え（一応女性なので正確な年齢を書くのは遠慮しときます）、一時は病にふせっていたそうですが、最近ようやく歩けるようになったので、挨拶に行きたいと思っていたところを回っているとのこと。お歳を考えるとそれだけでもすごいことなのに…。
国語の先生だった彼女は今、定期的に東京の大学に通って、万葉集の講義を受けているのだそうです。1年で1巻ずつ読み解いていくので、もし1回講義を休むと、次に同じ講義があるのは20年後だ、って笑ってました。

「教師って毎年毎年同じことを教えるでしょ」
「だから教師は、教えるために毎年毎年同じことを繰り返し勉強するんだよね」
「でも今考えると、あの頃はまだ全然わかってなかった」
「ぜんっぜんっダメだったな」

そう言って先生は頭を振りました。それから先生曰く、万葉集は政治的意図が見え隠れしていて嫌いだ、と。百人一首のほうがまだマシだ、って言ってました。ワタシにはよくわかりませんでしたが。

すごいな〜。80歳を過ぎて、さらに勉強するんだ〜。それも嫌いなことを。
すごい、凄すぎるよ、先生。改めて先生の授業を受けたい、と思いましたよ。
当時から理系だったワタシだけど、今なら古文の面白さがわかるような気がします。先生の授業ならね。

ワタシはいつまでも先生の教え子です。
まだまだ、ずっと、ずっと、ずう〜っと、長生きしてください。