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CHAdeMOとi-mode [車]

EV界の課題と言えば、一番はやはり高速充電インフラが他国に比べて非常に遅れていること。これにつきますね。
そもそも、世界初のEV高速充電規格が日本のCHAdeMO規格だった(過去形w)わけですが、その世界初というところにあぐらをかいて、規格の進化などそっちのけで既得権益をむさぼり続けた結果、他の規格にどんどん遅れを取り、現在世界的な流れはテスラのNACS規格に統一される方向に進んでいます。今やCHAdeMO規格は実質上日本国内専用規格に成り下がってしまいました。
特に40代以上の方には通じると思いますが、四半世紀前の携帯電話の規格だったi-modeと同じ状況と言えばご想像いただけると思います。CHAdeMO規格はすでにガラパゴス化が決まったも同然です。昔の携帯電話が現在はガラケーと呼ばれるように、このままでは日本のEV充電規格CHAdeMOは、近い将来ガラ充とかガラCHAなどと言われることになるのかもしれません。

すでに全米や欧州で統一されつつあるNACS規格と日本専用CHAdeMO規格では何が違うのか、充電能力を比べてみると…。
現在日本でのNACS規格の最大充電速度は250kW。対するCHAdeMO規格は最大150kWです。こう言うと多少遅いくらいじゃんと思われそうですが、CHAdeMO規格の150kWの急速充電器は、今調べたら国内に40機のみ。国内の全CHAdeMO急速充電器の0.5%でしかなく、ほとんど存在しないレベルです。今現在の日本国内の高速充電インフラ状況を見ると、CHAdeMO規格は未だに50kW機が主流なのです。実質的にNACS規格の1/5の充電速度ということです。
最近ようやく90kW機がぼちぼち増えてきましたが、その90kW機は①15分しか最大速度が出ない、②複数コネクタがあっても同時充電台数が増えると出力が割り勘される、③ケーブルがめっちゃ固くて重くて大の男ですら片手で取り回しが出来ない、という三段逆スライドの残念仕様です。


そしてCHAdeMOの問題点は充電速度だけではありません。CHAdeMO充電器には充電速度問題に加えて、30分縛り問題と、時間課金問題という、二重三重の問題もあります。
30分縛り問題というのは、1回の充電は30分までというルールです。自分が希望する充電量にならなくても、30分で勝手に充電を終了するということです。
大容量バッテリーを積んだEVをフルフルで充電しようとすると、現状CHAdeMOの50kWごときでは充電器を長時間占有することになるので、各充電スポットに1台しかないことの多い日本では充電待ちが頻発してしまいます。そこで充電時間を最長30分で区切り、もしそこで充電待ちの車がいたら充電量が足らなくても交替しましょうというわけです。
背に腹は代えられない回避策なのでしょうが、本来ならもっと高速な充電器にすれば良いわけです。その努力もせずに、ただ単に充電器の性能の低さを、ユーザーの我慢と互譲の精神で補填する仕様なんですよね。
何か「欲しがりません勝つまでは」「贅沢は敵だ」みたいな、昭和な臭いがぷんぷんします。

そしてもう一つの時間課金問題というのは、充電料金についてです。現在の急速充電は充電している時間に応じて課金されています。これの何が問題かと言うと。
例えば、日産サクラの充電速度は最高30kWです。30分間充電すると単純計算で15kWh充電されます。対してワタシのe-tronの充電速度は120kWですので、30分間で60kWhの充電量となります。サクラの15kWhとe-tronの60kWhでは4倍の差がありますが、時間課金なのでどちらも同じ金額となります。これって不公平だと思いませんか?
本来なら充電された容量に応じて課金される従量課金であるべきですよね。ガソリンだってリッター何円じゃないですか。

…ちょっと待った。あれ?そもそもi-modeって、それまで時間単位課金だったパソコン通信にメスを入れて、パケット料という従量課金に切り込んだ、当時としては画期的な規格だったはず。
そういう意味ではCHAdeMO規格はi-mode以前。時間課金だったパソコン通信レベルってことになりますね。まだi-modeのほうがまともだったわ。


なぜこれほど日本の急速充電規格やインフラがスカポンタンなのか。それはやはり日本お得意の既得権益がからんでいるのでしょう。
CHAdeMO協議会の東電天下り会長からして、前述した複数の問題に対して「CHAdeMOは世界一の規格だし日本の高速充電器なんてこんなもんでいいっしょ(意訳)」なんて言ってやる気は全くないし、自動車販売台数世界一の某ト∋タ会長(それも自工会会長)も「車はガソリン騒音振動垂れ流さないと楽しくねーぜ!ウチの社員の雇用を守るためにロビー活動でEV普及の邪魔したるわ(意訳)」なんて言ってるんだから、推して知るべしですね。


EVに興味のない方でも、もしSAなどで90kW級の急速充電器を見かけたら、是非実際に充電コネクタを手にとってケーブルを引っ張ってみてください。あ、4口〜6口のオシャレなタイプ、15分しかフル速度が出ない割り勘90kW機ではなく、白い四角いタイプの本当の意味での90kW機で試してくださいね。
EVなんて日本には絶対普及させないぞ!という、熱意というか、悪意の重さを感じることができます。

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ジャーマン魂百まで [車]

いろいろありましたが基本とろすけ(e-tron)を気に入っているワタシ。ただ最近はガソリン車をdisってばかりなので、たまにはとろすけの気にいらないところ、ここがダメってところを挙げてみようかなと思います。
■の数はワタシの不満度を表しています。



■■■□□満充電走行距離が短い
まずはやはり満充電走行距離ですよね。
5年も前のEVにそれ言う?って感じではありますが、走行距離は長ければ長いほど…いや、せめてEPAで850km(日本のWLTC換算だと952km)くらい走れると、ワタシとしてはありがたいです。EPA850kmなら80%→20%でちょうど500km程度の走行距離になるので、ワタシの場合なら東京を無充電で往復できる計算なんだけど。まあレトロフィットで充電速度だけは速くなったので、それで許してあげてますw。

関連記事:
 2024/01/08 『見せてもらおうかレトロフィットの実力とやらを


■■■■■車を降りると電源が切れる
e-tronってシステムONの状態でドライバーが車を降りると、30秒で電源が切れるのですよね。これがめっちゃ使いづらい!
どれくらい使いづらいのか、毎朝のルーティンを書いてみますね。

①車庫のシャッターを開ける
②車に乗り込みiPhoneをUSBに接続
③ブレーキを踏みシステムON
④画面に何か出るので[×]で閉じる
⑤ユーザー指定画面が出るので[次へ]で自分を指定する
⑥シフトをDにして車を車庫から出す
⑦シフトをPにして車を降りる
⑧シャッターを閉めたりゴミを積んだり
⑨車に乗り込もうとすると電源が切れている →イラッ
⑩「車内に携帯電話が置かれたままです」と警告される →さらにイラッ
⑪車に乗り込んでブレーキを踏みシステムON
⑫画面に何か出るので[×]で閉じる
⑬ユーザー指定画面が出るので[次へ]で自分を指定する
⑭シフトをDにして車をゴミステーション前まで移動
⑮シフトをPにして車を降りる
⑯ゴミをゴミステ内に置く
⑰改めて⑨から⑬まで
⑱気を取り直して出発

これ…毎朝ですよ、毎朝。
いや、冬の駐車場で積もった雪を落とす時も、家に帰ってきて車庫のシャッターを開ける時も。車を降りるたびにいちいち電源が切れる。勝手に電源を切ったくせに「携帯が残っている」と警告を受けるところがさらにイラっとするポイントですよね。めちゃくちゃ煽っているように感じるのはワタシだけでしょうか笑
このストレスってば、半端ないです。ほんと使いづらい。せめて30秒が、3分とか5分とかになるだけでも格段に使いやすくなるのになー。
もしかするとコーディングで設定変更できるのかもしれないけど、ネットを探しても情報がないんですよねー。ディーラーもその辺は教えてくれないし。

また、システムON後にいちいち画面操作しないといけないのもイラつきます。

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まあ、ほおっておけばそのうちに消えるので良いっちゃ良いのですけど、これらが消えないと他の機能、ラジオやAppleCarPlayとかが操作できないという。ホントにホントにホントに、ホントーに使いづらい。


■□□□□回生ブレーキの段数
回生ブレーキの強度がもう一段階あったら良かったのに、とは思います。
e-tronは回生ブレーキの強さを、ステアリング左右のパドルで調整します。左のパドルで強く、右のパドルで弱くできます。基本はコースティングと言われる回生なし、そこから左パドルを操作すると回生ブレーキ弱、もう一度左パドル操作で回生ブレーキ強の三段階なんですが、もう一段回強い回生ブレーキが欲しいです。
まあそこはフットブレーキを踏み足せば、さらに回生を強めることはできるんで、良いっちゃ良いんですけど。

ちなみにe-tronは、いわゆるワンペダルドライブはできません。アクセルから足を離すと車が停止するってやつね。みなさん、ワンペダルがイイ!ワンペダルがイイ!って言うんですけど、ワタシはあまり好きではありません。逆にAudiのコースティング(アクセルから足を離すと惰性で滑走)のほうが好きですね。


■□□□□エアコン
それから、テスラで言うところのキャンプモード。走らないけど長時間エアコンだけ入れっぱなしにしておくモード、みたいなものはないんですよね。
息子を学校や駅でちょっと長い時間待つ時など、エアコンだけ入れて車内で寝ていたいって状況はよくあるんですよ。通常のシステムONだと、デイライトやメーター表示なんかが点きっぱなしなので、バッテリーがもったいないし外からの見た目も悪い。
とは言え、一応システムOFFで動かす補助エアコンという機能はあるので、それでもいいのですが、確か30分間くらい限定で、あまり長く使えないんです。これがOFFタイマー設定とかできるともう少し使えるのになーと思います。


■□□□□Apple Car Play
e-tronはUSBでApple Car Playに接続するタイプです。それが、使っているとたまに…と言うか頻繁にApple Car Playが接続しない時があるんです。そうなるとUSBケーブルを何度刺し直してもつながらない。結局MMIに保存されている接続情報をいったん削除してから、改めてUSBケーブルをつなぎ直して再認識させないと使えないという不安定さがあります。
Twitter(X笑)で知った、外付けBluetoothでApple Car Playに接続する機器を試してみようと思っています。


■■□□□My Audiアプリ
その他にも、スマホのmy Audiというアプリで充電量を見たり、エアコンON・OFFしたり出来るのですが、このアプリ、Audiのサーバーを経由しているためか、あまりレスポンスが良くないんですよね。近くにいる時はBluetoothを使うなりしてもっとヌルサクだと良いなと思います。


■■■□□充電残量表示
あとEVで最も重要な情報、充電残量SoCがバーチャルコックピット内に数値で表示されないんですよね。見たければセンターモニターから深いメニュー階層を潜っていかないとダメ。まぁ走行可能距離は表示されてるんだからそれで良いだろ、ってことなのでしょうが、その走行可能距離はアクセルの踏み加減や道路の勾配などでかなりの範囲で上下するため、あまり当てにならないからなおのことです。
Audiに言わせりゃ、SoCだって走行環境で上下するから同じでしょ?ってことなんでしょうけどね。


■□□□□ショートカットカスタマイズ
センターモニターのメニューに機能のショートカットボタンを設定できるのですが、浅い階層の機能しか設定できなくて、全然ショートカットの意味がありません。


■□□□□トノカバー
ハードウェアで言うと、リアのトランクのトノカバーが巻き取り式なんですよね。スポーツバックならそれでもいいと思うのですが、ワタシのe-tronはSUVタイプなのでQ5みたくボード跳ね上げ式のトノカバーにして欲しかったなー。
そもそもリアゲートを開けた時に、トノカバーとの開口部が狭くて、毎回いちいち手動でカバーを開けないと荷物を入れられないんです。リアゲート自体は電動だしジェスチャーで開けられるのに、これではあまりに利便性が悪いのですよね。


■□□□□ドアポケット
ドアポケットのドリンクホルダーが斜めなんです。直立もするはするんですけど、走っていると振動で後ろ向きに倒れてしまったりして。そうなると今度は取り出しにくくて。最近はもう最初から立てかけて置いてます。

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でもそうしたらそうしたで、今度は振動で立ち上がったりして笑。どっちかにしろよ!ってツッコミたくなります。




とまあ、こんなところでしょうか。結構ありましたねー。
ハードウェアは置いとくとしても、ソフトウェアに関してはAudiは昔からこうなんですよね。MMIやバーチャルコクピットなど先進性はあるんだけど、ユーザビリティに欠けるって言うんでしょうか。使いやすく、という視点はあんまり持たないんだよなー。

「技術による先進」とは言うけど、そこに使いやすさはないのでしょうかね。
まぁある意味、そこがジャーマン魂なのかな?という気もしますけどね。


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渡る世間は闇ばかり [車]

とろすけ(e-tron)の走行距離はそろそろ20,000kmに近づきました。来月には息子くんの引っ越しなどもあるため、あっという間に大台を超えることでしょう。e-tronがワタシのところに来たのが3,000km弱でしたから、差し引くと17,000kmというところです。

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途中、修理&魔改造で2か月ほど走っていない期間がありましたので、実質平均で毎月2,800kmの走行距離となります。普段から走行距離の多いワタシでも、これは相当走っていると言えるのですが、実はこれには理由があります。
当初は、急速充電開始時の予想よりも短い時間で充電が終了してしまうことが頻繁にあり、その現象を再現するためにかなり長距離を繰り返し走ったことが原因だと思われます。

関連記事:
 2023/10/15 『e-tron急速充電途中終了の考察

ただその後のレトロフィット適用で、充電速度が本国と同じ120kWになったため、この現象(バグと言えるかも)はおそらく直っているものと思われます。これについては、もう少し暖かくなったら去年と同じように走ってみて、改めて検証してみたいと思っています。

関連記事:
 2024/01/08 『見せてもらおうかレトロフィットの実力とやらを


先日たまたま以前通ってたガソリンスタンドの前を通りました。何だか懐かしい気持ちになりましたね。ガソリンを入れに行かなくなって、もう8か月も経ちますもん。
近隣のガソリンスタンドの中では比較的安いところなので、相変わらず給油の列が尋常じゃなかったです。列と言うよりかは、もうカオスに近い状況でした。あー昔は自分もあそこにいたんだなーと、感慨もひとしおでした。
まぁEVの充電時間と違って、内燃機関車の給油時間はとても短いので、給油待ちは苦じゃないですもんね。お疲れ様です。

ところで今ガソリン代はいくらなんだろう?と思って横目で見てみたら、そのお店はハイオク1リッター169円のようでした。一時期よりは落ち着いてきたのでしょうか。知らんけど。
EV補助金を親の仇のように言う人がいますが、ガソリン価格にも税金が投入されていることはご存じないのでしょうかね。「燃料油価格激変緩和補助金」って言うんですけど。そのおかげでリッター200円とか210円とかにならずに済んでいるんですが。

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(経済産業省資源エネルギー庁)

ちなみに、EV補助金は2022年度2023年度累計で2,191億円。それに対して燃料油価格激変緩和補助金は同年度累計で6兆2,133億円とか。叩くべきはEV補助金じゃないような気がします。
そしてガソリン代には、その補助金以上にガソリン税がかかってる訳です。上記同年度ガソリン税収累計約4兆3,000億円とか。補助金を出しつつ税金を徴収してると…。こうやって税金を出したり入れたりする度に、みんなが気づかないように少しずつ少しずつどこかの誰かに流れていって、いつの間にか目減りしていくんですね。

いやいやいやいや、何だか闇を感じずにはいられませんよね。
あー、だから日本にEVが普及すると困る人が多いのかも。
日本すごいぜJAPAN!(白目)


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平成は遠くになりにけり [車]

さて、とろすけ(e-tron)が来てから、そろそろ8か月になります。途中2か月半ほど入院(笑)してたのを差し引けば、ほぼほぼ半年になるわけですね。

関連記事:
 2023/10/28 『安全装置とは
 2023/12/30 『e-tron魔改造

初めて電気自動車を運用し始めて半年。良いところも悪いところも見えてきた感があるので、ここらでEVについてよく聞かれる質問や、購入・運用するのに注意すべきことなどについて、いくつかまとめておこうかなと思います。

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e-tronに乗り始めた時には、周りからいくつか質問を受けて答えたこともあるのですが、細かく説明してもみんなあんまり聴いてないんですよね。
何km走る?とはよく聞かれるけど、いろんな条件や状況でも違うため、あれこれ言おうとすると、あーとかへーとか言って興味を失われちゃう。あれってなんででしょうね。

まあいいや。
まずはワタシの車の走行状況を簡単に分析してみると、ざっと以下のとおりです。

①息子の駅送迎、通勤、買い物等で1日60km
②息子の学校まで送迎が1週間に1回150km
③大学の対面授業が1か月に1回260km
④娘の帰省送迎、観劇上京で年に4回各480km

以上を計算すると年間26,000km程度になります。月によって上下はありますが、まあ合計すると実際そんなもんでしょう。相変わらず走行距離が多いなw。
さてさて、以上を前提としてそれぞれの質問の回答をまとめてみます。

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Q:1回の充電でどれくらい走れるの?
まずみなさんが気にするのが航続距離ですよね。以下はカタログ値ではなく実測値で書いていきます。
ワタシのe-tron 50はもう一世代前なので、夏季等で条件が良い時であっても満充電で300km程度です。実際は0%まで走りませんから、再充電までの余裕をみて100%→20%までとすると、実質航続距離はだいたい250kmといったところでしょうか。
長距離走行の予定がなく、通常使いする場合は充電80%からスタートしますので、80%→20%で正味180km程度です。こう書くと「ぜんぜん足らねーじゃん」と言われそうですが、ワタシの平日の走行距離は、子供の送迎+通勤+買い物で60km/日くらいなので、まったく問題ありません。何なら最低3日に1回の充電でもいい計算になります。ただそれだと普通充電では回せなくなるので、急速充電を使うことになりますが。
今や最新のEVなら満充電で400km〜500kmくらいは普通に走れますし、超高級EVでは1,000km近く走るものも出てきているので、走行距離的にはすでにガソリン車と遜色ないところまで来ています。


Q:充電に何時間もかかるんでしょ?
EVに乗らない人には理解されにくいのですが、EVは普通充電と急速充電があります。普通充電はいわゆる自宅充電や目的地充電です。自宅にこの普通充電の環境を整えられない方には、ワタシはEVをお薦めしません。
ワタシん家の普通充電は低速の3kWなので、上記のように1日60km走った後だと、80%まで充電するのに4〜5時間かかります。e-tronは8kWの普通充電も可能なので、それだと2時間弱で済みますが。いずれにしても、もし夜中に帰ってきて充電を始めたとしても、翌朝の出発までには充電は完了します。
自宅充電があれば、毎朝ガソリン満タンで出発するのと同じです。これがどういうことを意味するのかは、実際にEVを長期間運用してみないと実感できないと思いますね。


Q:充電時間がもったいなくない?
上記のように、自宅充電では自分が寝ている間に充電されるので、自分の時間が消費されるわけではありません。スマホを充電している間、ずっと傍らで見守っていませんよね。それと同じです。
出先で行う急速充電でも、例えばサービスエリアのトイレ休憩や食事といった時間を使って充電するので、思ったより時間の無駄はありません。逆にゆっくり食事するには時間が足らないくらいです。

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Q:いつも充電量を心配しながら走るのって嫌じゃない?
ガソリン車も残量を気にするから一緒ですよね。そもそも自宅充電なら、毎朝いわゆる満タンで出発できるので、心配する必要がありません。
ただし一日150km以上走る場合は少し心配します。100%までの充電予約をしたり、途中の急速充電場所を検討したり。とは言っても、ガソリン車でも事前に経路の情報収集等はしますので、それと同じ程度です。


Q:急速充電器が空いてないと大変だよね?
いわゆる充電待ちですね。
今はト∋タ会長がアンチEVロビー活動してくれちゃってるおかげでEVの絶対数が少ないので、この半年間でワタシが充電待ちに遭遇したのは1回だけでした。思い返すと、ガソリンスタンドで並ぶ頻度のほうがよほど多かったですね。
急速充電器の空き状況はネットで確認できるため、よほどタイミングが悪くないと充電待ちにはならないのではないでしょうか。


Q:EVって高いよね?
まだ高いですねー。もっと台数が売れれば安くなるのでしょうが。
それでも今のところは補助金もあったり、税金面でも優遇措置があるので、ガソリン車より若干高い、くらいではないでしょうか。
何よりEVは消耗品が少ないので、車検や点検費用が安くすみます。オイル、冷却水、点火プラグ、タイミングベルト等の交換は不要。物理ブレーキもほとんど使わないので、ブレーキパッドも減りません。おまけに充電する電気代はガソリン代の1/2〜2/3くらいです。


Q:冬に立ち往生したら凍死するんでしょw?
よく言われます。アンチEVプロパガンダですかね。
ワタシの初期型e-tronでさえ、充電残量50%からでも15時間程度は持つ計算ですし、EVを知らない人が思うより遥かにEVの車内は暖かいのです。
ガソリン車の立ち往生は、排気ガス逆流で一酸化炭素中毒による死の危険がありますが、EVではその心配がないのでよほど安心です。


Q:日本は火力発電の割合が多いからエコじゃないよね?
これもよく言われます。アンチEVプロパガンダですかね。どこかの会長が推してる水素自動車だって、燃料の水素は輸入に頼ってるし、その水素を作る原料は化石燃料からだし、水素を運んだり貯蔵したりするのにEVよりよほど電気を使うから、全然まったくさっぱりエコじゃありませんよね。
そもそもワタシは環境に配慮してEVに乗ってるわけではありませんからね。ランニングコストが格段に安い、ということと、何よりも新しモノ好きだからです。エコならさらに良いとは思うけど、エコじゃなくったって別に全然いいのです。


Q:エンジン音がしないとつまらないよね?
所有している旧車エスハチのエンジン音が無ければつまらないと思いますが、例えば前車Q5のエンジン音がなかったところで、全然悲しくはないと思いますね。EVで長距離走ると、静か=疲れない、ということを実感します。
EVの加減速時のヒューンというモーター音は、電車で聞きなれているのであまり違和感はありません。EVに慣れると、最新のハイブリッド車でもエンジン音が聞こえた途端、たちまち古めかしさを感じてしまいます。


Q:雪国でEVはまだ早いんじゃね?
確かに気温が低いとバッテリーの能力は低下します。でもそれはガソリン車でも同じです。どのみちスタッドレスタイヤや、積雪による転がり抵抗の増加で、大なり小なり効率は落ちるものです。
それよりも、EVは排気ガスを出しませんから、締め切った車庫の中でも起動してエアコンを入れておくことが可能です。出発予定時刻をタイマーにセットしておけば、朝には車庫の中からもうポカポカです。これはガソリン車には不可能なことで、寒冷地や豪雪地では大きな利点です。


Q:EVは燃えやすいよね?
これはもうアンチというより捏造とかフェイクですね。
本当のEV炎上事故もあるにはありますが、例えばどこかの立体駐車場火災やフェリー火災では、燃えたのはガソリン車だったのに、新聞やネットでは「電気自動車か?」とかワザとミスリードさせて注目を得ようとする記事が乱発しました。
実際はガソリン車のほうが母数が大きいので、よほど数多く燃えてるんですけどね。まぁ燃えるガソリン車なんて当たり前すぎてバズらないから収益に繋がらない、したがって誰もニュースにしないということですね。ただし、EVは実は燃えにくいんだけれど、一度燃え始めると扱いが面倒ってのはあるかもしれません。


Q:バッテリーの劣化が心配じゃない?
これは初期の日産リーフの情報が未だに独り歩きしているお話です。あるいは知っててワザと言ってるのか。
今のEVのバッテリーは温度が緻密に制御、管理されているため、ほとんど劣化しないそうです。テスラの場合ですが、320,000km(200,000マイル)走行後のバッテリー劣化は12%だったそうです。通常ならそこまで走る前に、もう廃車でしょう。
ちなみに、中古EVを安く買ってきて、家の蓄電設備として再利用する人もいます。EVのバッテリーは蓄電設備用よりも高性能で低価格なんだそうです。数百万の設備が数十万の中古EVで利用できるなら使いたいですよね。場所は取りますが。


Q:EVがもっと普及してからでいい?
あの会長が頑張っている限り、日本は変わらないでしょう。普及してからとか、みんなが乗るようになってから、なんて言っている皆様は、一生ガソリン車に乗ってても別にいいんですよ?その代わりEVに乗りたい人の邪魔をしないでほしいです。

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とまあ、よくある質問としては、こんなところでしょうか。ただ、みんな興味はあるけど、離れて遠くからこっそり見ている感じなんですよね。色々聞いてくれれば答えるのに。
まあ世の中「EVユーザーは非国民」「EVなど欲しがりません勝つまでは」「日本凄いぜJAPAN!」みたいな動画が蔓延していますからね。日本人は昔と全く変わりません。日本人のアイデンティティなのかな。「みんな違ってみんないい」「多様性の時代」なんて、もう平成だけで終了した感がありますね。

そうそう、サービスエリアで急速充電器の前にガソリン車を停めてる方々に遭遇したことが多々あります。今度ガソリンスタンドの給油機前にEVを停めたろか!(しないけど)


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Das ist es aber nicht. [車]

最近の自動車は運転支援が高機能・高性能化していますね。
例えば日産のプロパイロットとか、ホンダのホンダセンシングとか、ベンツのインテリジェントドライブとか。テスラに至っては運転支援どころか、すでに完全自動運転化が始まっています。
それに比べてウチのとろすけ(e-tron)は5年も前のEVだけあって、普通のアダプティブクルーズコントロール(ACC)に車線維持支援機能(車線逸脱抑制機能:Audiではアクティブレーンアシストと言います)が付いてる程度です。

さて、その車線維持支援機能ですが、YouTubeなどでいろんな車の動画を見ていて気付いたことがあります。みんなそういう支援機能をON・OFFする時に、いちいち作動音や警告音が鳴るんですよね。ピッとかポーンとか。他メーカーの車の動画を見ていると、そういう作動音がしょっちゅう鳴ってて、うるさくないのかなーと思ってしまいました。
ああいうのAudiはまったく鳴らないんですよ。車線維持支援をONにしてもOFFにしても鳴らないし、たとえ道路の白線が認識できなくなって強制OFFされる時でさえも音は鳴りません。だからAudiでは、車にお任せでボーっと走っていると、いつの間にか支援機能が切れていて逆に慌てることがあります。

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この違いは何かというと、おそらく他メーカーの支援機能は、運転者と対等ということなんだと思います。だから、ここまでは人間、ここからは支援機能という線引きがきっちりしている。はい、ここから支援機能が制御いたします。はい、ここからは人間がコントロールしてくださいと、責任の所在をはっきりさせているのでしょう。
支援機能とは言うものの、言葉を変えると、車のコントロールを運転者から肩代わりする機能。言ってみれば代行機能ということですね。

それに対してAudiは、あくまで主は常に人間なんです。ハンドルを握る人間の手の上から、システムがそっと力を貸してくれる感覚。支援はするけど人間に取って代わることはしない。運転の責任は人間にあるのが前提なのです。突然支援機能を強制OFFしても、運転してるのは人間なんだから、いちいち音を鳴らさなくてもわかるでしょ?ということなんですね。
言ってみれば、人間に寄り添う支援機能ということになるのでしょうか。そういう意味では、Audiという会社はずっと運転者重視の思想なんだなと感じます。
運転者にとって究極的に楽になるのは前者の代行機能なのでしょうが、はたして自動車は楽になることが正解なのだろうか?そんなAudiエンジニアの試行錯誤、自問自答を感じます。
今後さらに自動車が進化して、本当の意味で自動運転が可能になった時、Audiの自動運転機能がどんなインターフェースを見せてくれるのか、個人的には今からすごく興味があります。


そう言えばe-tronといえば…。
シフトをリバースにすると「ポーン」って作動音が鳴るのですが、そこから切り返しなどでいったんドライブに戻し、また改めてリバースにすると…今度は鳴らないのです。いやいやどんだけ音を鳴らしたくないの?そこは鳴らせよ!とは思います笑。

Vorsprung durch Technik. Das ist es aber nicht.
(技術による先進。でもそこじゃない!)

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後日談:
よくよく様子を見ていると、最初のリバースで鳴る作動音はシフトチェンジ自体の作動音ではなく、後退支援機能(前周囲カメラ)の起動音のようですね。後退支援機能は一度起動すると、前進してある程度速度が出るまでは解除されません。切り返しの前進くらいでは起動したままなのです。だから再度リバースに入れても改めての作動音は鳴らない…ということのようです。
まぁそれなら...いやいや。そもそも支援機能の起動音を鳴らすより、シフトがリバースに切り替わる警告音を鳴らした方がいいのでは?うーむ。おそらく運転者が「自分で」シフトを切り替えるんだから敢えてわざわざ音を鳴らす必要はない、という判断なのでしょうか。後退支援機能は車側が勝手に起動させるので作動音は鳴らす、ということですね。
こだわりが凄いのは認めますが、そこにこだわるんだったら、ACCの強制解除も車側が勝手にするわけだから、やっぱりそこは警告音を鳴らせよ!とは思いますね笑。


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パドルとフットの回生そして物理 [車]

初めての冬を迎えた我が家のe-tron。
冬になってもなぜかアダプティブクルーズコントロール(ACC)が普通に使えます。対してカミサンのA3はしょっちゅうセンサーが凍りついて使用できなくなるのに、何が違うんだろう…と不思議に思っていました。
先日今シーズン最大級の寒波とやらがやってきた際に、e-tronを車庫に入れててようやく気づきました。全面凍りついたフロントグリルの一部だけ、わかりやすく凍っていない!凍結防止用のよほど超強力なヒーターが埋め込まれてるんでしょう。

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なるほど、ここにセンサー(おそらくLiDAR)が収まっているんですね。これだけ強力に着氷を融かせれば、冬期でもACCが問題なく使えるってわけです。それにしてもこの氷を融かすためにどれだけ電気使ってるんでしょうか。電費が悪くなるのもしょうがないですね。

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ちなみに、夏場の電費は平均5.2km/kWほどでしたが、冬場になるとおよそ3.8km/kWh程度。大雪の時など最悪では3.5km/kWhくらいまで激減します。

関連記事:
 2023/12/30 『e-tron魔改造

電費の悪化は、ほとんどがエアコンの暖房かなーと思っていましたが、その後の様子を見ていると、どうもそれだけじゃなさそうです。エアコンもさることながら、路面状況も大きく影響しているようなのです。
走りながら路面状況と電費表示をチラチラ見比べていると、濡れた路面→水たまり→シャーベット状の雪→圧雪→新雪の順に、電費が悪くなっていくのがわかります。面白いことに凍結路面ではそれほど電費は落ちないんです。まぁ凍結路ではスピードを上げられないってこともあるとは思いますが。

想像するに、これってつまりタイヤの転がり抵抗ってことなんだと思います。
例えば大雨の時、道路の轍にタイヤを合わせて走る場合と、轍からタイヤを外して走る場合だと、後者のほうが全然電費が良くなります。降雪時には逆に、轍からタイヤが外れると電費が極端に悪化します。
このような状況から、電費はタイヤの転がり抵抗が大きく影響するような気がしています。場合によってはエアコンよりも顕著かもしれません。

今後タイヤが減って買い替えるとなった時には、出来るだけ転がり抵抗の少ないタイヤを選ぶことが重要かなと思います。忘れないようにしなくちゃ。



電費を向上させるためには、タイヤのチョイスだけでなく、回生を増やすという方法も挙げられますね。e-tronは手元のパドルで回生力を変更できますが、パドルだけでなくフットブレーキを踏んでも回生ブレーキがかかります。よほどの急ブレーキを踏まなければ、物理ブレーキが働くことはありません。物理ブレーキは、車が停止直前になって最後の最後でようやくかかる感じです。それにより思ったより多くのエネルギーを回収してくれるのはe-tronの良いところですね。
e-tronは減速から停止までの95%を回生ブレーキで処理しているそうで、他メーカーに比べても回生効率のレベルの高さは群を抜いています。確かにかすかな下り坂でもぐんぐん回生していきます。と言うか、回生されているのに気付いて初めて下り坂ってわかる、という感じです。

で、パドルでもフットブレーキでも同じ回生ブレーキなのかというと、どうもそうではないようで。
最近気付いたのですが、フットブレーキを踏んだ時の回生ブレーキよりも、パドルを使った回生ブレーキのほうが、エネルギーの回収率が高いような気がします。減速時にはまずパドルを使って回生ブレーキをかけて、それでも減速が足らなかったらフットブレーキを踏み足す、という方法が最も効率がいいようです。パドルでの回生ブレーキは減速感が一定のため同乗者に優しいこともあり、そんな方法をワタシは多用しています。
強いて言えば、もう一段強い回生ブレーキがあると、さらに良いんですが。

とは言え、前車がいればアダプティブクルーズコントロールが回生ブレーキを最大限使って速度をコントロールしてくれますから、あまり面倒なことを考えずとも効率よくエネルギーを回収してくれます。結局人間は指示だけ出して、コントロールは自動車さまにお任せが一番なのかもしれません。

「指示だけしてください。コントロールは自分でできます」
そもそもquattro技術がそうでしたもんね。

関連記事:
 2005/03/24 『quattro ~クルマの気持ちがわからない編~
 2005/03/25 『quattro ~クルマが本音を話すとき編~
 2005/03/26 『quattro 最終章 ~クルマに叩きのめされる編~



Vorsprung durch Technik. Ich werde dir für immer folgen!
…早速ドイツ語使いたがる初心者め。


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見せてもらおうかレトロフィットの実力とやらを [車]

魔改造(レトロフィット適用)を受けた我が家のとろすけ(e-tron 50)。充電速度が日本仕様50kWの足枷を外してもらい、本国仕様と同様の120kW対応となりました。およそ2.5倍です。以前の実績でSoC約40%から80%まで充電するのに大体30分ほどでした。今後は同条件ならおよそ12.5分で充電完了する計算になります。まぁ実際は損失があるのでそこまではいかないと思いますが、試してみたくてウズウズ。

とは言え、120kWをフル速度で充電できる充電器となると、現状では150kW急速充電器くらいしかありません。ところが一般的な150kW充電器はまだまだ設置数が少なく、あったとしても少々遠いのです。
しかしAudiにはPREMIUM CHARGING ALLIANCEという手があります。PCAはPorsche、VW、Audiが参画している高速充電網です。その中にはAudiディーラーに設置されているウルトラチャージャー182基が含まれています。そこで、150kWを探して早速行ってきました。とある場所のAudiウルトラチャージャー。

IMG_9961.jpeg

このド派手な急速充電器。夜だとめっちゃ目立ちますね。近隣住民から苦情が出ないのだろうか、と要らないお世話。
このAudiディーラーには初めて行きましたが、充電器の位置が裏手の路地沿いにあり非常にわかりづらかったです。特に営業時間外だったので表通りからは入れず、行き過ぎたり戻ったりしてようやく車を入れることができました。
さてさて、レトロフィットの実力はいかに?

IMG_9957.jpeg

充電開始はSoC35%でした。直後の充電速度は80〜85kW程度で、ちょっと残念。これなら90kWの急速充電器と大して変わりません。特に150kWの急速充電器を選んで充電するメリットはないかな〜なんて思いながら見ているとじわじわ上がってきて…SoCが60%を過ぎるあたりでようやく100kWを超える速度が出てきました。SoCが低いとセル電圧も低いのでそうそう100kWを超えることはないのか、それとも単純に寒くてバッテリーの充電能力が低かったのか、はたまた両方か。

IMG_9969.jpeg

結局SoC75%を超えるあたりからは、再び85kW程度の速度に落ちてきてしまいました。希望を言うと、損失を差し引いて110kWくらいの速度が最初から最後までずっと続くといいなと思っていましたが、まあ世の中そんなに甘くはありませんね。
最終的にはSoC80%まで20分、29kWh分の充電が終了しました。計算上では平均で87kWの充電速度なので、90kW急速充電器よりはギリ速い、ということになります。もう少し気温が高いと高速充電が長く続くかもしれませんね。いやでも、あまり気温が高いと今度は逆にバッテリー保護機能が働いて途中で充電終了となるかも。熱マネジメントの制御自体はレトロフィット適用後でも変わらないでしょうからね。

関連記事:
 2023/10/15 『e-tron急速充電途中終了の考察


計算上150kW急速充電器の方がギリ速いとは言え、実質90kW急速充電器とそれほど大差ありません。ただその代わりに価格が大きく違います。高速道路や日産ディーラーなどにある公共の90kW急速充電器では20分の充電で550円くらいでした。これが今回使ったAudiウルトラチャージャーだと同じく20分で1,500円にもなりますから約3倍の価格です。まぁ普通に考えてAudiウルトラチャージャーは使わんよな。高速道路上の急速充電器が150kW機に入れ替わるまでは90kW機を使うのがお得だな、という結論に達しました。
そもそもAudiウルトラチャージャーは、充電だけではなく、充電待ちの時間中の接客やら何やらのプレミアムな体験を含めたサービスなので、公共の急速充電の価格と比べることはナンセンスなんですけどね。そういう意味では、今回のように営業時間外に利用することはマジ何考えてんの?と言われてもしょうがありませんね。今回はわかってて充電したのでガッテン承知の助。良い子の皆さんは真似をしないようにお願いします。


せっかくなので、充電時間と航続距離の関係を見てみましょうか。
約20分の充電で29kWhの充電量でしたからどれくらいの航続距離が得られるかと言うと、冬季だと電費が約4km/kWh、夏季だと約5km/kWhなので、大体116kmから145kmくらいの走行距離分が充電されるわけです。高速道路では1時間から1時間半に1回の充電が必要になる計算です。
本来CHAdeMOでは1回30分の充電ルールですから、もう少しSoCを減らせば1回の充電あたりの航続距離を延ばすことはできそうです。30分の充電量が43.5kWhですから搭載バッテリー量から逆算すると、SoCを38%より減らしてから急速充電するのが最も走行距離的には効率が良いようです。ただあまりにもSoCを減らし過ぎると、以前の記事に書いたように熱マネジメントの関係で充電が途中終了してしまう可能性もあるので、SoCは35%から40%で急速充電するのが一番良いのかもしれませんね。
まぁ某国では15分間で走行距離500km分の急速充電が可能なEVが発売されている現状を見ると、EVの最先端技術の進化スピードの速さには驚愕しかありません。日本メーカーは全個体電池に固執していて未だに実物を販売することもできずにいますね。ト∋タがダイハツを切り捨ててでも自社の雇用を守りたい気持ちもわからんではありません。検討だけで実行しない日本政府に、発表だけで発売しない日本自動車メーカー。やるやる詐欺に、出す出す詐欺ですか。何か似ていますね。


ついでにQ5(ガソリン車)とのコスト比較をしてみましょうか。
Q5の燃費は大体13km/Lでした。今のハイオク価格をリッター170円として計算すると1kmあたり約13円となります。
e-tronの電費は今の季節だと大体4km/kWh程度。90kWで急速充電すると1kWhが大体20円弱になるので、1kmあたりの金額が約5円ということになります。いかに電気代が上がったとは言えガソリン代と比べると半分以下、4割程度ですね。
急速充電でこれですから、自宅で充電する200Vの普通充電なら単価はもっと下がります。維持費は圧倒的にEVが安いという当初のワタシの試算の正しさが証明されました。
以前はQ5だけでガソリン代が年間40万円かかってたワタシ。e-tronではおそらく最低でも年間15万円を切るくらいにはなると思います。

先日サービスエリアのガソリンスタンドで、ハイオクがリッター200円を超えてて思わず二度見三度見してしまいました。
よそ見には気をつけましょうね。←違う


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e-tron魔改造 [車]

ほぼ2か月半の時を経て、ついに帰ってきました、ウチのとろすけ(e-tron 50)くん。家充電終了後に充電プラグが抜けなくなり、すったもんだしながら車庫から引っ張り出して、修理のためにドナドナしていったe-tronでしたが、ようやく帰ってきましたよ。代車のまま年を越すことになると、ほぼほぼ諦めていたところでした。

関連記事:
 2023/10/28 『安全装置とは

原因としては、充電プラグのロック機構の電動アクチュエータが壊れていたのだそうです。例によって本国から部品を取り寄せて交換ということで、まあまあ時間がかかりました。部品交換後、今はすっかり完治しております。
気のせいか、ロック・アンロックの音が以前より軽くなったような気もしますが、まぁ気のせいでしょうw。

実は、修理に時間がかかった理由がもう一つあるのです。
それは「魔改造」!


以前にもちょこっと書いたのですが、初期型e-tronは日本国内に導入された時、当時のCHAdeMO仕様に合わせて50kWに充電速度が制限されていました。本国や海外の仕様では120kW(上位車種のe-tron 55では150kW)ですから、残念なことに日本向けはデチューンされていたわけです。
Audiは今年、それを本国仕様に戻すレトロフィットなるサービスを発表しました。それも、新車対応ということではなく、既販車つまり既に販売された車、中古車にも適用するということでした。まぁ、それがあったからワタシも購入に踏み切った、ということもあります。

関連記事:
 2023/07/18 『諸元

実は今回の修理に合わせて、このレトロフィットを適用してもらっていました。そのために時間がかかった訳なのです。その間ずっと代車を貸しててもらったディーラーさんには感謝しております。色々な理由があり、都合3台の代車を乗り継いでいましたから、ディーラーさんにはご迷惑をおかけしたことでしょう。
ちなみに件の修理も保証期間内で無料でしたし、レトロフィット自体も無償対応ですし、まったくもって文句を言う筋合いなどはございませんです、ハイ。



さあ、ついにそのe-tronが帰ってきました!
帰ってきたということになれば、そう、試してみたくなるのがワタシの性分。年末に娘が帰省するのを良いことに、送迎という名目で、長距離運転してきましたよ。往復全行程で500kmほどでしかありませんけどね。
ただ、それでも冬のこの時期です。電費は夏に比べて格段に悪化するはず。充電速度だけでなく、航続距離の変化も気になるところでした。


先に航続距離に関して言うと。
夏場だと、満充電(充電残量100%)でスタートして、娘のアパートまで、だいたい250kmほど走ると、充電残量は20%ほどとなり、ちょうどいい充電タイミングという感じです。
今回の送迎時では出発時の充電残量が90%ほどだったという事もあり、250kmをノンストップでは走れませんでしたね。やはりPTCヒーターを使う暖房に電力が多く使われてしまうようです。最近のEVの暖房では、より効率の良いヒートポンプという方式が使われているので、PTCヒーターより電費は向上しています。でも5年も前のe-tronですから、そこまでは望むべくもありません。
実際には、夏場なら自宅から東京までは、満充電スタートだとノンストップで東京着は可能です。で、東京で80%まで急速充電。さらに帰りに途中で急速充電をもう1回といった感じになります。それが、今回の様に冬場だと、行きと帰りにそれぞれ2回ずつ充電が必要でしたね。
電費で言うと、夏場は5.2km/kWh、冬場だと3.8km/kWhくらいでしょうか。さすがに暖房がかなり影響しています。


次に充電速度がどうなったかというと。
もうバッチリでしたね。今まではCHAdeMOのバグなのかe-tronのバグなのか、充電終了予測時間に怪しい部分がありましたが、今回はおよそ計算通りの結果で、使い勝手で困ることはありませんでした。
やはり急速充電は速いことが正義だなーと身をもって感じました。とは言え、120kWフルフルで充電できる充電器はそうそうありません。それでも思い通りに充電が終了するのは、ストレスにならなくて長距離運転がとても楽です。

それからさらに良いことがありました。
以前使ってダメだった充電器があります。最近増えてきた、複数台並んだタイプの充電器。4基とか6基とか並んでて、同時に充電する台数によって充電出力が変化する、いわゆるダイナミックコントロールというタイプの充電器です。
初期のe-tronではダイナミックコントロール非対応で、1ユニット20kW分の充電速度しか出ないという仕様でしたし、実際に充電してみるとロス分を差し引いて17kW程度でしか充電できていませんでした。

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関連記事:
 2023/09/08 『目論みどおり

今回レトロフィット適用もあったので、ダメ元で試しにもう一度充電してみたところ、何ときちんと充電できるではないですか!やった!
一応、証拠に写真を載せておきます。e-Mobility Powerの6口なんちゃって90kW充電器です。

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レトロフィット適用後の充電速度は85kWでした。ロス分を入れれば90kWフルフルの速度が出ていると言って良いでしょう。ホント素晴らしい!
さらに、他の90kW急速充電器でも試してみましたが、問題なく速度が出ていました。それも、SoCが低い状態から高い状態までずっと80〜85kWをキープしているので、充電能力としてはかなり良い性能だと思います。なんせ5年前のEVですからね。
デチューンなどしないで本国仕様のまま日本に入れてもよかった気もしますが、まぁ自動車工業会の会長とか、どこかの誰かさんとかに忖度したのでしょうね。ほんと乙です。割を食うのは日本国民のユーザーなんですけど。あっ自社の雇用が守れれば後はどうなってもいいんでしたっけね。


いずれにしても、今回の魔改造でe-tronは生まれ変わりました。満充電走行距離が少ないのはもうどうしようもありませんが、急速充電速度が上がったので運用上はほとんど問題ありません。
90kW急速充電器なら、SoCが30%ほどから80%になるのに20分前後しかかかりません。トイレ休憩とちょっとした買い物をしている間に充電が終了してしまいます。逆に言うと、食事するには時間が足らないほどです。嬉しい悲鳴ですね。

さらに最近は150kW急速充電器が徐々に増えてきています。もし120kWの最高速充電が可能になれば、もっとSoCをぎりぎりまで攻めて、1時間半〜2時間に1回の充電で済ますことも可能です。そうなれば本当になんの問題もありません。いくらワタシでも2時間に1回は休憩を取りますからね。

後は、速い急速充電器と設置数。インフラが整うのを待つだけです。まぁ日本の場合、そこが大きなネックなんですけどね。
それはともかく、思いがけない故障があったことで、思いがけず雨降って地固まる。本当に大満足の魔改造でした。

終(つい)の車となる予定のワタシのAudi e-tron 50魔改造車。ずっと長く大切に乗るのでお手柔らかにお願いしますね。まだまだ細かい不満はあるにはありますが、一年の締めということでまずはここらで一区切り。また来年の記事のネタということにしておきます。

暮れも押し迫りました。皆様もお身体ご自愛ください。
また来年もいい年でありますように。


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代車おかわり2杯目 [車]

e-tron(とろすけ)まだ直ってきません泣。
代車生活になって早2か月。季節も移り変わり、代車も変わり、今はA4 Avantとなっています笑。

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走行距離4,000Kmちょっと。まだまだ新車です。いつも代車っていうと白かシルバーが多いのですが、今回はブルー。新鮮な半面、ちょっと違和感…というか気恥ずかしさがあります。だって、何だか若者っぽくない?

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今回の代車遍歴:
 1台目:SQ2 『ブルーな嵐
 2台目:A6 Avant TDI 『代車おかわり
 3台目:A4 Avant TDI

SQ2はノーマルタイヤだったので、スタッドレス履きのA6に交換。
今度はカミサンのA3の点検があり、代わりにA4を借りてきて代車が2台となりました。
e-tronの修理に合わせてタイヤ交換もしてくれるって言うんで、点検が終わったA3を取りに行く際、代車A6にe-tron用スタッドレスを積んでディーラーに運び。帰りはA3に乗って帰ってきたので、最終的にA4が代車として残った、ということなんです。ややこしいですが。
きっとe-tronが直る頃には、もうすっかり雪が積もってるんでしょうね。

それにしても、e-tronのタイヤ、めっちゃ重いです。スタッドレスは19インチにインチダウンしてるのにもかかわらず、バチクソ重たい泣。A6に積むのがホント大変でした。今度e-tronが帰ってくる時は21インチのノーマルタイヤを積んでくる訳で、今回よりさらに重いそれを降ろして片付けることを考えると、今からもう恐怖しかありません泣。


とりあえず新しい仲間となったA4くんには、また例のクリスマスカラーでデコらせていただきます。写真だとわかりづらいのですけど、これにクリスマスソングを合わせて、少しだけ浮かれ気分?を味わっています。

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タグ:Audi 代車 Audi A4
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クリスマスカラー [車]

まだまだ代車の日々が続いております。

関連記事:
 2023/10/28 『安全装置とは
 2023/10/29 『ブルーな嵐
 2023/11/16 『代車おかわり

その後、ディーラーから連絡がありました。
原因は、充電プラグをロックするソレノイド(電磁石で動作するアクチュエーター)が動作不良を起こしていたのだそうです。プッシュソレノイドなのかプルソレノイドなのかわかりませんが、安全側に壊れるフェイルセーフが働いたってことです。充電中にプラグが外せてしまうよりも、充電プラグが外れなくて車が動けなくなるほうが、より安全である(キリッ)ということですかね。まぁそうですね。…そうでしょうとも。

「Vorsprung durch Technik(ドドストトン)笑」


ということで、ワタシのとろすけ(e-tron)は現在、本国からの部品待ちとなっています。
そうそう。修理ついでに、例の「レトロフィットキット」を適用してくれるとのこと。これで充電速度が、日本仕様の50kWから本国仕様の120kWに、格段に性能アップします。わーい!
120kWが出せるCHAdeMO充電機なんて、今日現在で30か所(ワタシ調べ)くらいしかありませんが、最近少しずつ増えてきている90kW機だとしても今までの半分近い時間で充電が終わると思えば、控え目に言っても「バチクソ楽しみ」です。

例えば今まで、50kW機で30%ほど充電(SoC50%→80%)するのに30分かかっていたのが、90kW機だと15分ちょい。これならトイレ休憩程度で済んでしまいますね。途中で充電が停止しないようにSoCを高めの40%から充電したとしても、80%まで20分〜25分程度しかかからないことになりそう。いやー、そうなればワタシ的にはもう充分です。逆に、ゆっくり買い物や食事をする余裕が更になくなって、困る嬉しい悲鳴かも?
満充電航続距離が延びるより、充電速度が向上するほうが、使い勝手が良くなるのが目に見えています。


もうすぐ、もうすぐ。
はやく帰ってこないかなー♪
そんなワタシは、傍から見ると、クリスマスイヴのサンタさんを待つ子供のようです。

IMG_9797.jpg

コーラスやアカペラ好きが高じて、若い頃から一年中クリスマスソングを聴いていたワタシ。
今はテスト期間中にもかかわらず、サンタさんがとろすけを担いで(爆)来るのを妄想しながら、クリスマスカラーのアンビエントライトに包まれて、一人で浮かれて盛り上がっています。

では皆さんも。
メリークリスマス、良いお年を!
(いやまだ早いしw)


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