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JAZZと民謡 [本・音楽]

私が小さい頃。
機嫌の良い親父がお風呂に入った時、聞こえてくるのはいつも民謡でした。
でも、子供だった私は民謡なんて、何か年寄りくさくって嫌いでした。
とか言って、盆踊りの音楽が聞こえると、ウキウキもしましたが(笑)。

その頃、母方の伯父は趣味で三味線を弾いていました。
民謡嫌いな私でしたが、その姿は子供心に格好良く焼きついていました。

時は流れて大人になり、生意気にもJAZZなどを聞き始め「ポップスなんて子供の音楽じゃん」などと言っては、仲間にボコボコにされていました。
ある時、The singers unlimitedというアカペラグループの歌声を聞いて、人間の肉声の持つパワーに驚き、コーラスも大好きになりました。
20年近くそんな音楽嗜好が続いたでしょうか。

もう数年前になりますが、伯父が亡くなりました。
その後伯母から、伯父が使っていた三味線を、形見としてもらいうけました。
「そのうち暇になったら習うから」などと言ってはいたのですが、その伯母もその翌年に亡くなりました。
その時、何かが私の背中を押したのです。

私は民謡のCDを買い聴き始めました。
そして練習用の津軽三味線を購入し、本格的に習い始めました。
腕は…聞かないで下さい(汗)…まだまだですが、最近ずっと民謡漬けでいて、思うことがあります。

伝統芸能って、型がしっかりと決まっていて、ガチガチなものだと思っていました。
しかし習ってみると、津軽三味線ってとてもアドリブ性の強い楽器です。
いや、元々民謡自体がそうなのかもしれません。
流派とかが出来て、ずっと継承されていくようになったのは実は最近で、本来は弾く人唄う人によって異なるもののようです。
唄の伴奏としての三味線は、元唄としてのテーマがあり、そこに多少のアドリブが入っていきます。
とはいえ伴奏は唄が主役ですから、三味線はあくまで控えめですが、よくよく聴いていると非常にJAZZ的に感じます。

津軽三味線では曲弾きといって、唄のない三味線だけの演奏があります。
その中に、どんな流派でも同じという「六段」という曲がありますが、実際いろんな人の六段を聴いていると、それですら結構違うんです。
他の曲弾きに至っては、ほとんど即興に近い。
同じ人でも演奏日が違うと違う弾き方をするし。
師匠から習う曲とCDに収録されている曲では、フレーズが異なるので練習するのにとても困ります。
結局ほとんどの人は、お稽古時の師匠の演奏を、自分で録音して練習に使っています。

話がそれてしまいました…(汗)。

前にテレビで西洋人が、妙にJAZZっぽいノリで民謡を聴いているシーンを見たことがあります。
その時は、見てて違和感を感じましたが、何だか最近、そんな感覚がわかるようになってきました。

JAZZと民謡。
とてもよく似ています。


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コメント 3

sion

ここさいきんアルトサックスからバリトンサックスに楽器が変わりました。
理由は『その有り余るパワーを低音にまわせ』という事だそうで・・・。
俺もJazzがものすごい好きで、特にチャーリー・パーカーはMy Favoriteです。

さて、津軽三味線ですが、いいですよね。
あれは『日本人の為のハードロック』だと思います。。
by sion (2005-06-23 15:31) 

私の祖母も長唄をやっていましたが、この歳になるまで全く興味がありませんでした。子供のときから手ほどきをうけていれば、と悔やまれます。

やはり津軽三味線の方が即興的な、自由な雰囲気で若い人にも人気が出やすいんだなと思うことがあります。
先日胡坐をかいて津軽三味線を弾いてる人を見ましたが、長唄じゃちょっと考えられないし(ちょっとやりたいけど)。   
by (2005-06-23 20:05) 

GEN11

sionさん
いつもありがとうございます。
バリトンサックスいいですね!
ウチのカミサンはチューバやってましたけど(ってどんな夫婦?)、低音系って地味ですがカッコいいですよ。

くりこさん
コメントありがとうございます。
私は形から入る方なので、三味線はやはり正座がキリっとして素敵だと思います。
というか、まだ自分の演奏姿勢が固まってないレベルなので、胡座なんてもってのほか、って感じです(汗)。
問題は、足のしびれだけですね。
by GEN11 (2005-06-24 04:21) 

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