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そしてトラウマは克服された [思ひ出ぽろぽろ]

久しぶりに車検を取って公道復帰したHonda S800。
先日、前からやりたいと思っていた、灯火類のLED化を行いました。

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確かに、旧車にLEDの光は似合わない。
何だかんだ言って、実はワタシもそう思ってはいます。
それなのに、なんでそれほどまでにLED化したかったのか。

突然フラッシュバックのように、鮮やかに思い出しました。
あの日、あの時、あの場所。

本当に忘れていたのか、ただ単に忘れたかっただけなのか。
今回、実際にLED化をしたことで、気持ちがすっきりしたのか何なのか、ふとある出来事を思い出しました。多分それが、トラウマと言うか、強迫観念になっていたような気がします。

そうだったんだ。
あー、だからかー。

自分で自分の行動が納得できました。
腑に落ちた、ってこのことですね。



その出来事とは…。
今をさかのぼること30年近く前のこと。
カミサンと出会う、少し前でした。

当時ワタシは技術職で、制御系エンジニアをしておりました。
毎日忙しい日々を送りながらも、あの頃の職場は、なにかこう、おおらかと言うか、ゆるいと言うか。そして和気あいあいとしてましたね。

全員がそろって夜11時過ぎまで残業していると、突然「ひゃ~」とか「ひょ~」とか叫び出す先輩がいて。
そのうち

「やめたっ、これから呑みに行く!」

とか言い始め。
みんな深夜テンションなもんで「オレも」「よし!オレも」って話になり。
そのまま全員で呑み屋に行き、その後はカラオケ。
深夜2時過ぎまで騒いでようやく解散。
時にはその後、バーで4時までビリヤード、とか。
それでも朝にはみんな普通に出社。
今思うと、毎日がそんな感じで。
いつも全力疾走していた、そんな日々でしたね。


ある日。
ワタシと特に仲良くしていた人たちの中で、峠に星を観に行こう、って話で盛り上がりました。その日はまだそんなに遅い時間じゃなくて、事務の女の子も何人かいました。
その中の一人に、ワタシがまるで歳の離れた妹のような感じで接してた子(10歳くらい歳下:笑)もいて。

「あたしオープンカー乗りたいっ」

とか言い出しました。
オープンカーから星空や夜景を見たい、とかぬかすんです。

「髪の毛、ボサボサになるよ?」

「いいもん!」

それまで、夜走ったことや、助手席に誰かを乗せたことはありませんでしたが、まあいいよ、ってんで、いったん自宅に帰り、エスハチに乗り換えて、妹(仮)を迎えに行きました。
ワタシはその頃ちょうど、長年探し続けてたエスを再度手に入れたばかりで、嬉しくて、みんなに見せびらかしたかったんでしょう。

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 2019/02/24 『愛車遍歴7

他の人たちは、先に峠に向かって出発しています。
ワタシたちも遅れて出発しました。


峠に向かう途中。
季節は、春先だったか秋口だったか。
助手席の妹(仮)に、寒くない?なんて言いながら、そっとヒーターを入れました。
気を利かせたつもりでした。

峠に向かう山道を登り始めます。
街の明かりが遠くなり、あたりがどんどん暗くなってきます。
多分、暗いと妹(仮)が怖がるかな?とでも思ったのでしょう。
普段なら、そんなことはしないのですが。何の気なしに、ハイビームに切り替えました。

「パチン」

…と言ったかどうか。
その瞬間、ヘッドライトが…、消えました。
峠に響く元気な排気音はそのままで、あたりは深い闇に包まれました。

そうです。
ヒーターのブロアファン全開と、ヘッドライトのハイビーム。
その大電流に耐えきれず、一瞬でヒューズがぶち切れたのでした。

突然の暗闇の中で路肩にも寄せられず、そのまま道の真ん中で急ブレーキ。
予備のヒューズなんか持ち合わせてないわ。
うなだれるワタシ。そして助手席では、大爆笑の妹(仮)。
真っ暗な山の中、行くも戻るも、どうにもならず。
幸いウインカーだけは生きていたので、その明りを頼りに方向転換し、途中まで登った峠を、何とか無事に下りきったのでした。

峠を下れば、街中は明るいので、まあまあ一安心。
妹(仮)を乗せたまま、よたよたと自宅まで帰り、いつもの車(当時の車はクイントインテグラ)に乗り換え、改めて峠に向かいました。
峠では他のみんなが待ちくたびれていて。

「二人でどこかにシケこんだのかと思って心配したぞー」

そんなふうに、みんなにイジられて、散々な夜でした。

確かにそれはそう。峠までを2往復してますからね。
みんなは峠の上で、もう2時間半くらい待ってるわけですよ。
当時はまだ携帯電話もなかった時代です。
思えば、真っ暗闇の山の中で、二人っきりの男と女、でした。
相手によっては、何かがあったり、なかったり?
いや、爆笑で済ますような妹(仮)で良かったのかもしれません。

もしも一人だったら、こんなに凹まなかったでしょう。
一人の時で、いやーヒューズが切れてさ、ライトが消えちゃったんだよー、わはははーってな話だったら、ただの失敗話で済んだのに。
隣に女の子を乗せてた、という事実。それを客観的にみるとね、いかに妹(仮)とは言え、あーもうね、ダメよ、それはもうダメ。カッコワリー。ダセー。イケてねー。みっともねー。
ホントにもう、こんなに情けないことはありませんです、ハイ。
調子こいて乗せるんじゃなかった。


そんなことがあってからずっと、エスハチではハイビームを使いませんでした。思えば、今までずっと。
そもそも、それ以来、夜に走ることもありませんでしたし。
トンネル内でライトを点灯する時でも、まずスイッチがロービーム側になっているのを確認してから点灯するのが、今ではもう習慣になってて、ほとんど無意識でやっています。
そんな習慣がついた理由を、原因となったこの出来事を、今の今まで、すっかり忘れていました。
今回、エスハチのLED化により、30年間の封印がようやく解けた感じです。

今度はもう、ハイビームとヒーターと、両方使っても大丈夫になったよ。
妹(仮)にはここ何年も会っていませんが、今度顔を見たら教えてあげよう。
憶えてないかもしれないけど。

そして、何の因果か。
妹(仮)は、カミサンの中学生時代の部活の後輩だそうで。

渡る世間は狭すぎる。
というお話でした。

いやLED化!(爆)。

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