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e-tron魔改造 [車]

ほぼ2か月半の時を経て、ついに帰ってきました、ウチのとろすけ(e-tron 50)くん。家充電終了後に充電プラグが抜けなくなり、すったもんだしながら車庫から引っ張り出して、修理のためにドナドナしていったe-tronでしたが、ようやく帰ってきましたよ。代車のまま年を越すことになると、ほぼほぼ諦めていたところでした。

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原因としては、充電プラグのロック機構の電動アクチュエータが壊れていたのだそうです。例によって本国から部品を取り寄せて交換ということで、まあまあ時間がかかりました。部品交換後、今はすっかり完治しております。
気のせいか、ロック・アンロックの音が以前より軽くなったような気もしますが、まぁ気のせいでしょうw。

実は、修理に時間がかかった理由がもう一つあるのです。
それは「魔改造」!


以前にもちょこっと書いたのですが、初期型e-tronは日本国内に導入された時、当時のCHAdeMO仕様に合わせて50kWに充電速度が制限されていました。本国や海外の仕様では120kW(上位車種のe-tron 55では150kW)ですから、残念なことに日本向けはデチューンされていたわけです。
Audiは今年、それを本国仕様に戻すレトロフィットなるサービスを発表しました。それも、新車対応ということではなく、既販車つまり既に販売された車、中古車にも適用するということでした。まぁ、それがあったからワタシも購入に踏み切った、ということもあります。

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実は今回の修理に合わせて、このレトロフィットを適用してもらっていました。そのために時間がかかった訳なのです。その間ずっと代車を貸しててもらったディーラーさんには感謝しております。色々な理由があり、都合3台の代車を乗り継いでいましたから、ディーラーさんにはご迷惑をおかけしたことでしょう。
ちなみに件の修理も保証期間内で無料でしたし、レトロフィット自体も無償対応ですし、まったくもって文句を言う筋合いなどはございませんです、ハイ。



さあ、ついにそのe-tronが帰ってきました!
帰ってきたということになれば、そう、試してみたくなるのがワタシの性分。年末に娘が帰省するのを良いことに、送迎という名目で、長距離運転してきましたよ。往復全行程で500kmほどでしかありませんけどね。
ただ、それでも冬のこの時期です。電費は夏に比べて格段に悪化するはず。充電速度だけでなく、航続距離の変化も気になるところでした。


先に航続距離に関して言うと。
夏場だと、満充電(充電残量100%)でスタートして、娘のアパートまで、だいたい250kmほど走ると、充電残量は20%ほどとなり、ちょうどいい充電タイミングという感じです。
今回の送迎時では出発時の充電残量が90%ほどだったという事もあり、250kmをノンストップでは走れませんでしたね。やはりPTCヒーターを使う暖房に電力が多く使われてしまうようです。最近のEVの暖房では、より効率の良いヒートポンプという方式が使われているので、PTCヒーターより電費は向上しています。でも5年も前のe-tronですから、そこまでは望むべくもありません。
実際には、夏場なら自宅から東京までは、満充電スタートだとノンストップで東京着は可能です。で、東京で80%まで急速充電。さらに帰りに途中で急速充電をもう1回といった感じになります。それが、今回の様に冬場だと、行きと帰りにそれぞれ2回ずつ充電が必要でしたね。
電費で言うと、夏場は5.2km/kWh、冬場だと3.8km/kWhくらいでしょうか。さすがに暖房がかなり影響しています。


次に充電速度がどうなったかというと。
もうバッチリでしたね。今まではCHAdeMOのバグなのかe-tronのバグなのか、充電終了予測時間に怪しい部分がありましたが、今回はおよそ計算通りの結果で、使い勝手で困ることはありませんでした。
やはり急速充電は速いことが正義だなーと身をもって感じました。とは言え、120kWフルフルで充電できる充電器はそうそうありません。それでも思い通りに充電が終了するのは、ストレスにならなくて長距離運転がとても楽です。

それからさらに良いことがありました。
以前使ってダメだった充電器があります。最近増えてきた、複数台並んだタイプの充電器。4基とか6基とか並んでて、同時に充電する台数によって充電出力が変化する、いわゆるダイナミックコントロールというタイプの充電器です。
初期のe-tronではダイナミックコントロール非対応で、1ユニット20kW分の充電速度しか出ないという仕様でしたし、実際に充電してみるとロス分を差し引いて17kW程度でしか充電できていませんでした。

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今回レトロフィット適用もあったので、ダメ元で試しにもう一度充電してみたところ、何ときちんと充電できるではないですか!やった!
一応、証拠に写真を載せておきます。e-Mobility Powerの6口なんちゃって90kW充電器です。

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レトロフィット適用後の充電速度は85kWでした。ロス分を入れれば90kWフルフルの速度が出ていると言って良いでしょう。ホント素晴らしい!
さらに、他の90kW急速充電器でも試してみましたが、問題なく速度が出ていました。それも、SoCが低い状態から高い状態までずっと80〜85kWをキープしているので、充電能力としてはかなり良い性能だと思います。なんせ5年前のEVですからね。
デチューンなどしないで本国仕様のまま日本に入れてもよかった気もしますが、まぁ自動車工業会の会長とか、どこかの誰かさんとかに忖度したのでしょうね。ほんと乙です。割を食うのは日本国民のユーザーなんですけど。あっ自社の雇用が守れれば後はどうなってもいいんでしたっけね。


いずれにしても、今回の魔改造でe-tronは生まれ変わりました。満充電走行距離が少ないのはもうどうしようもありませんが、急速充電速度が上がったので運用上はほとんど問題ありません。
90kW急速充電器なら、SoCが30%ほどから80%になるのに20分前後しかかかりません。トイレ休憩とちょっとした買い物をしている間に充電が終了してしまいます。逆に言うと、食事するには時間が足らないほどです。嬉しい悲鳴ですね。

さらに最近は150kW急速充電器が徐々に増えてきています。もし120kWの最高速充電が可能になれば、もっとSoCをぎりぎりまで攻めて、1時間半〜2時間に1回の充電で済ますことも可能です。そうなれば本当になんの問題もありません。いくらワタシでも2時間に1回は休憩を取りますからね。

後は、速い急速充電器と設置数。インフラが整うのを待つだけです。まぁ日本の場合、そこが大きなネックなんですけどね。
それはともかく、思いがけない故障があったことで、思いがけず雨降って地固まる。本当に大満足の魔改造でした。

終(つい)の車となる予定のワタシのAudi e-tron 50魔改造車。ずっと長く大切に乗るのでお手柔らかにお願いしますね。まだまだ細かい不満はあるにはありますが、一年の締めということでまずはここらで一区切り。また来年の記事のネタということにしておきます。

暮れも押し迫りました。皆様もお身体ご自愛ください。
また来年もいい年でありますように。


タグ:Audi e-tron Audi
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nal

復帰おめでとうございます。
知識皆無な電気グルマの話、とってもわかりやすく参考になります。我が家の太陽光発電がまもなく10年を迎えまして、次の戦略を考える時期。蓄電がわり(災害時の備え)に電気グルマ?なんて頭をよぎることもあり、とっても勉強になります!

by nal (2024-01-05 11:23) 

GEN11

nalさん
ありがとうございます。

最近のEVは外部に電気を供給できる機能が付いてますので、災害の際には心強いですよね。騒音や排ガスも出ませんので周りの迷惑になりませんし。
また、テスラは大規模災害時に急速充電器を無料開放しますが、今回もいち早く実施しているようです。CHAdeMOも見習ってほしいです。…まぁ無理ですけどw。

by GEN11 (2024-01-05 16:55) 

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