Vol.18 黒いスーツのサンタクロース 座キューピーマジック

見に行けなかったので後日ビデオを買って見た念願の黒サンタ。
昔プレッシャーに負けて主役から逃げ出した女優。
その女優のお迎えに来たのに恋をしてしまい、挙げ句の果ては自分の声と引き換えに彼女の人生をやり直させようとする死神。
あー、いい物語なのに文章にするとなんて陳腐。
でもこの女優に恋する死神も死神。
こんなわがまま女のどこがいいのか。
そりゃ個人の好みってもんだろうけど、あんまり伝わってこなくて残念。
新米の死神なので、ただ情に流されただけなのかなあ。
もう少し死神が恋に落ちてしまった原因というか根拠というか、何かエピソードがあればもっと感情移入できたのに残念。
まあ他人の恋なんてのは、大体が滑稽なものだけど。

所々にキューピーならではのツボがぴたりと決まって、ほのぼのとした気持ちになる・・・んだけど、なんか死神があまりに不憫でかわいそうでした。
最後はしゃべられないし。見てて涙が出そうです。感動でじゃなく哀れで。
これって見方が悪いんでしょうね、きっと。

ところで、死神が時をさかのぼるシーン。
音も良いしあれはカッコよかった。
さえない中年男の多い田窪一世ですが、なんかこう惚れ惚れしました。
上の写真のシーン、クリスマスなのに新聞の勧誘の少女、山村志津子。
いいなあ、こういう人好き。
こんな人が勧誘に来るなら新聞とってもいいのになあと思う。
なぜ実際の勧誘員ってふてぶてしい人が多いのだろう。
また知恵遅れ（？）の弟役だった草苅弘。間といいしぐさといい、もう最高でした。
この役はぜひライフワークにしてほしいです。
昔から「おねえちゃん、おねえちゃん」といっては姉に甘えて、姉もまた弟をいじめなどから守ってくれた。
そんな暖かい姉弟の、過去まで感じさせる演技でした。・・・ちょっと誉めすぎか。

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