人生の歯車

人生の歯車が狂って、と言うのはよく聞く表現です。
順調に回っていた歯車が、突然かみ合わなくなり、悪いほうへ悪いほうへと、人生が流れていってしまう。
そんなイメージでしょうか。

今、私は思います。
歯車がかみ合わないのが、普通の状態なんじゃないかと。
あっちで引っかかり、こっちで緩んで、なかなか上手く回らない。
それが人生なんじゃないでしょうか。

ところが、何かの拍子に、この歯車がかみ合ってしまう。
いったんスムーズに回りだした歯車は、みるみるうちに勢いがついて、人生のある一点に向けて突き進んでいく。
そして、その先にあるものは…。

もしもあの日、雨が降っていなければ。
いや、せめて小雨だったら…。

もしもあの朝、彼が家を出るのが、1分でも遅かったら…。

もしも、家を出るときに一瞬つまづいていたら…。

もしも、誰かに道を聞かれていたら…。

もしも、車のエンジンが、なかなかかからなかったら…。
いや、いっそのこと、車が故障していたら…。

もしもあの時。

もしも…、もしも。
もしもそこで、人生の歯車が、1秒でも狂っていたら…。
あの事故は起きなかったかもしれない。
いつもと変わらない笑顔がここにあったかもしれない。

つい昨日までここにあった笑顔。
馬鹿を言って笑いあったり、愚痴や不平不満を言ってなぐさめあったり。
そんな日常が突然消えてなくなる。
身近な人間がある日突然いなくなる悲しみ、苦しみ、憤り、そして無力感を残して。

そして…、歯車は止まりました。

コメント 4

引っかかるから回る、、そう言うモノかもしれません。
止まってしまうと、どこにも引っかからないから。。

そして周りは回り続けててて、、

ずっと心に秘めていたいものです。。
by アキオ (2006-10-07 16:56) 

akioさん
残って、引っかかりながらも回り続ける私にできることは、ずっと心に残しておいて、たまに思い出してあげることだけなんでしょうね。
by GEN11 (2006-10-10 18:08) 

この記事と後の記事、前に読んでたんですけどコメントに思いなやんでしまって
書けませんでした。
ナイスも押すの躊躇しましたし、、、。
今も言葉が見つかりませんが、、、いちおう残しておきます。
by nal (2006-10-16 17:40) 

nalさん
私もご家族や婚約者には言葉が見つかりません。
何を言っても亡くなった者は帰ってこないし。
残されたものは、辛くても前を向いて、歯を食いしばって生きていくしかないのでしょうね。
暖かいコメントありがとうございました。
by GEN11 (2006-10-17 15:12)