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Vol.28 ハムレットのための特別席 座キューピーマジック [座キューピーマジック]

もっと歳をとってからもう一度・・・と思っていたのが早速の再演。
前回の『ハムレット・・・』はビデオで観ただけなので感じ方も違うだろうし、年末の『黒サンタ』を観に行けなかった私は酸素不足の金魚のよう。
ということで、ここ数ヶ月の殺人的忙しさを押し切って、行ってきましたキューピーとんぼ返り観劇の旅。
今回はカミサンが出産直後のため、初めて一人ぽっちでの観劇でした。
観たのは最終日の9月15日。ほとんど満席でした。
1年ぶりのキューピーでしたが、やはり期待以上。
損はさせないぞキューピーマジックぅ!

父親役はもうお馴染みの女鹿伸樹が客演。
売れない俳優のイメージ出てました(ご本人がそうだというわけではありませんのであしからず)。
それにしても女鹿伸樹のつぶやくような押さえた台詞は、後ろまで聞こえたでしょうか。本多劇場ではまず聞こえないでしょうが、駅前劇場くらいの広さが、落ちぶれた感じにとれる、ぎりぎりのところでしょう。
普段話しているような自然な発声。それでいて観客にムリな集中を必要とさせないあたり。さすがです。

前回の『ハムレット・・・』の父親役は田窪一世でしたが、キャラクターの違いからか田窪@オタク系ドロドロマザコンに対し、女鹿@サイコ系精神分裂マザコンという感じがしました。どちらもある意味ではコワイです。
前回は母親とガートルードがごっちゃになって、パック&魔女(死神というか悪魔というか、人の嘘を食って生きるやつ。なんだかわからなかった)は母親の手下という感じで、母親vs前妻というように受け取ってしまいました。母親が息子にとり憑いていて、「悪は母親」というイメージでした。
それに対し、今回はパック&魔女(ハムレットに固執するあまりに精神分裂が生み出した死神だろうと思われる)vs前妻。どちらかというと母親は単なる息子の逃げ場所。というようになって、母親を求める主人公に哀れさがよりいっそう感じられました。

しかしよくもまあ、たった2時間ちょっとの中にこれだけのエピソードを詰め込んだものです。
舞台が最初から最後までアパートの部屋から一歩も出ないことをまったく感じさせない。以前にも増して中身の濃い。でも洗練されてわかりやすい。役者それぞれも個性が出てて飽きない。お約束もあるがいやらしくなく不自然ではない。
『黒サンタ』と並び、キューピーの代表作といってもいいと思います。とても素晴らしい公演でした。
最後は私もくるみを抱きしめたかったなぁ。←犯罪ですそれは。

ところで今回出番のなかった母親。
あれを演じられる女優は、今のキューピーにはいませんね。寂しいです弥生さぁ〜ん。
はっこれではマザコンならぬ、やよコンだ。


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