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Vol.31 最後のブラッディ・マリー 座キューピーマジック [座キューピーマジック]

8年ぶりの再演だそう。もちろん私は初めて。
このところ、一人ぼっちでの観劇が続いていましたが、今回は我慢できなくなったカミサンと、何食わぬ顔でいて実はあちこち精力的に観劇に出歩いている知人とで、合計3人というメンバーでした。
いつもよりちょっと心強い私。
今回からまたビデオ・台本販売を再開。とても嬉しいです。
さらにコーヒー無料サービスなんてのもあり。個人的にはお茶の方がさらに嬉しいけど。
でも自由席で奥のほうに座ろうものなら、いちいちロビーに出るのも面倒だし、座っている人に迷惑なので、結局遠慮しちゃいました。

さて、今回の感想はというと…。
私が今まで観てきた公演は、何度も再演をかさねているだけあって、かなり練りこまれた脚本な訳で、そういうのを見慣れていると(比べるのもなんですが)まだこなれていないなぁという感じでした。
気になったことをいくつか上げてみると…。

本部と呼ばれる組織が、どう活動しているかが不明瞭でした。
移動の日を知らせる通知が、それぞれの個人宛てではなく、羽柴にまとめて届くのは不自然ではないでしょうか?
移動の日間近になるまで岡崎の居場所を本部がつかんでいないということは、引っ越した先でさらに何度も本部と接触があるとは思えません。
頻繁に本部との接触があるなら、岡崎が本部に居場所を隠していることが、もっと早くに表面化したはずですよね。
それなら吸血鬼たちが引っ越し先の住所を本部に届け出てさえいれば、本部的には特に問題ないような気がします。
だとしたら誰と一緒に住んでいようが関係ない。
岡崎も羽柴のように住所だけ変えて、居所を本部に知らせておいても一向に差し支えないように思えてどうしようもありませんでした。
さらには、羽柴が岡崎のことを密告する動機となった、戒律を破っていることを本部に知られそうだという、『羽柴の危機感』についてもっと説明が欲しかったような気がします。
皆さんはどう思われましたか?

本部からきた2人は、棺桶型簡易ベッドの中で、羽柴の戒律破りの独白を聞いていたのか?という疑問もあります。
あの場の最後、ダブルスーツ部長は羽柴に対して『岡崎慎太郎くん』と、わざとらしくフルネームを呼ぶシーンがありました。
私は『ああ、聞いていたな』と思ったのですが、それに対してのおちが全然ありませんでした。
見逃してくれるのかと思ったけど。

細かい疑問はそれくらいにして、全体的には面白かったです。
頻繁な場面転換は映画というよりも、テレビ的なカット割りを感じました。
あれだけの暗転を入れながら、お客を放さないでおくのは並大抵ではないと思います。さすがキューピー。
個人的に好きだったのは、織田耕作の内縁の妻が、おいて行かないでとすがるシーン。
普段はがさつな人間が、素直な気持ちをストレートにぶつける場面に、とても感動しました。

最後の乾杯シーン。
ハッピーエンドでもなんでもないわけですよね。
結局みんな戒律を破ってしまうわけだし、岡崎に至っては本部で裁かれて杭を打たれるかもしれない。
それなのにみんな爽やか。それでいいの?って感じ。
いっそのこと、本部の2人が戒律を破って駆け落ち(!)でもして、ハッピーエンドとかだったら良かったのにと思ったのは、私だけではないハズ。
安易過ぎる発想かなぁ?
でも、あえてその苦難な路を選んだ男たちの、心意気というか腹を決めたさまなどは、潔さを感ぜずにはいられません。好きな人のために体を張る。
男とはかくあるべき。ハードボイルド。格好いいなあもう。

織田耕作・霧島美枝子の新しい旅立ちを祝い。羽柴薫、朋子と彼氏の穏やかで幸せな夕食を想い。そして岡崎慎太郎の無事と、何よりも福美の冥福を祈りつつ。
乾杯。←とてもクサイ(笑)


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