新潟県中越地震体験記２

その頃、私は子供をお風呂に入れる準備をしていました。
お風呂にお湯をはりつつ、着替えの準備をしているうちに、その時間はやってきました。

2004年10月23日午後5時56分。
ゴーッという地鳴りの音に「？」と思う間もなく、ズッドーンという縦揺れ。
一瞬電気が消えかけましたが、すぐに復帰。
「地震だ」
その時はまだそれほど危機的状況とは考えませんでした。
いつもはそれだけで終わってしまうから。
でもこの日は少し違っていました。それがすべての始まりでした。

間髪置かずにとてつもない揺れと同時に停電。
その時は揺り返しかと思っていましたが、後から考えるにこれが本震の横揺れだったのです。

飛びついてきた上の子（5歳）を抱き上げ、外へ逃げるべきかどうか迷う。
下の子（1歳半）は？おぃまだ寝てるじゃん。
「新潟地震よりでっかいぞ」
おじぃが言う声が、妙に間延びして聞こえる。
おばぁが台所から飛び出してくる。
カミサンは？あぁそうだ、買い物に行ってる。

台所でガラスが割れる音。家が軋む音。
長い。これは本当にやばそうだ。
かすかに入る月明かりで、床と天井が別々に揺れるのを見ながら、柱につかまって立っているのが精一杯でした。

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