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Vol.58 ムーンライト・セレナーデ 座キューピーマジック [座キューピーマジック]

2年ぶりに行ってまいりました。座☆キューピー・マジック公演。
他の観客には迷惑と思いつつも、またまた子連れのお騒がせ4人組です。
大変失礼いたしました。

子連れなもんで行きの新幹線はネットで指定席を取りました。
家にいながらにして列車の指定席が選べるなんて、すごい時代になったもんですね。
準備万端滞りなく…なんていう時には想定外の出来事が降ってくるのが人の世の常。
波瀾万丈な一日がワタシたち家族を襲ったのでした。

天気予報通りに前の晩から降り続いた雪。
朝になってみると結構積もっていましたが、まあコレくらいはいつものこと。
雪にはめっぽう強い上越新幹線。どちらかと言うと、心配なのは駅までの道路です。
なんせ今回は指定席ですから乗り遅れたら大変です。余裕を持って家を出発しました。

出発してみると道路はそれほどでもありませんでした。
雪による渋滞もなく除雪車に捕まることもなく、いつも停める場所を探すのが大変な駐車場ではすんなり停められ…駅までは順調でした。駅までは。

ふと見上げた到着列車案内に、すでに出たはずの前の新幹線が表示されたままになっています。
ま、その時は深く考えていませんでしたが、実はそれには大変な意味があったのです。

予約した新幹線のチケットをゲットし、カミサンと子供たちがトイレに行ってくると、構内アナウンスがありました。
何と雪による停電があり、新幹線が十数分遅れ。ワタシたちが乗る予定の新幹線は30分ほど遅れるとのこと。さらに以後の新幹線は運転見合わせ…。
思わず顔を見合わせるワタシとカミサン。

「どうする?」

「30分遅れると間に合わないかも」

ということで、指定はあきらめて次にくる1本早い新幹線に乗ることに。
在来線は通常通り動いているようで、続々と新幹線ホームに人が流れていきます。
ホームで待っていると1本前の新幹線が入ってきます。とそこへ構内アナウンス。

「東京到着時刻は次の新幹線でも5分ほどの違いになる見込みです」

なぬ?それなら何とか間に合うかも。
ということで、開いたドアを目前にして乗車の列から急遽離脱。
結局当初予定していた列車に乗ることにしました。

その後、遅れてきた新幹線に余裕で乗り込み、指定席にゆったり座ってやれやれでしたが、大宮まで来た所でまさかの足止め。発車の見込みなし。東京行きの人は他の新幹線に乗り換えろとの指示が。
大宮からはぎゅうぎゅう詰めでずっと立ちんぼでしたが、何とか開演15分前に滑り込むことができました。

そんなこんなで波瀾万丈なキューピーマジック観劇の幕開けでした。
以下ネタバレあります。ご注意ください。



『ムーンライト・セレナーデ』は5年ぶりの演目。
久しぶりは久しぶりなんですが、そもそもキューピーマジック観劇自体が2年ぶりなので、久しぶり感まるでなし(意味不明)。
ある意味、肩肘張らずに普段通りの自分で観ることができました。

やはりでこぼこ感は感じますね。
これはプロデュースなのでしょうがないこととは思いますが、劇団だった時の一本筋の通った一体感と安定感、キラキラした透明感みたいなものが懐かしくもあります。
ただ逆に言うと、でこぼこ感が意表をつくと言うかハラハラワクワクさせてくれるので、何度も観てみたいと思わせる部分もあります。
昔からのファンとしては、役者の人数が多いので台本に無理が出ないか心配にならないという利点もありますよね(笑)。
ま、これはよほど演目に精通していないと享受できない利点ではありますが、人数的なことを言えば、毎回マルチキャストで公演を観られるのも利点ですね。ワタシも近くなら何度も通いたいんですが。
そんなこんなで、プロデュースはプロデュースの良さもあるとは思いますので、これからもまだまだ観続けていきたいと思います。
この中から「言葉のキャッチボール」ができる役者さんがどれだけ出てくるのか、それが一番の老後の楽しみです。

でも、さすがに「リダイヤル」ってのは時代を感じますよね。
遠藤純一宅のあのタイプの電話ならいくら何でも「着信履歴・発信履歴」くらいあるでしょう。
いっそのこと黒電話にするとか、時代を現代でなくしてしまったらどうかとも思いました。そうだ非通知という設定もありますかね。
黒サンタの「コードレス〜」って台詞もそうですが、今の若い人たちにはどう受け取られているのでしょうか。老婆心ながら気になってしかたありません。
キューピーの演目にはいろんな所で電話が小道具として出てくるのですが、携帯電話やスマートフォンが物語の鍵となる演目はまだありませんね。
そんな意味でも、今の若い人たちが違和感なく受け入れられるような新作、なども期待していいのかな?なんて思います。
「携帯メールは二度着信音を鳴らす」なんていかが?(爆)

さて冗談はおいといて…。
今回特に惹かれたのは金子良夫のキャラクターですね。
どちらかと言うとぶっ飛んだ役柄なんですが、かなり現実的というか「いるいるこんな人」っていう感じで、妙に説得力がありワタシにとってはとても新鮮でした。
狙ってたのかどうか…。プレゼントの紙袋を持って登場する時は、とっても軽々と持ってたんですよね。中身を知ってるワタシは「あれっ今回脚本変えた?」と思ったほど。だから中身が消化器とわかった時のギャップがすごい。これって演出なのかな?と思いました。だとしたらさすがです。



「僕は君とだけ戦うことに決めた。君はどうだ?」

いつ聞いてもグッとくる台詞です。
自分が「この人と結婚したい」と思った時って、いつ、どこで、何がきっかけだったんだろう?
今考えるともう、うすぼんやりとしてしまっていますが、確か夜中に一人でドライブ中、山の上の観光用道路からカミサン家の灯りを見下ろしていた時かな?いや、今となっては灯りが見えたのか、見えた気がしただけなのかすら、はっきりとはしませんが。
子供たちにそんなこと言うと「それってストーカーじゃね?」とか言われそうな、そんな青臭い昔のことまで思い起こさせる素敵な公演でした。
皆さんはいかがでしたか。

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今回劇場に入ってみて何だか少しずつ子連れが増えているような気がしました。
ワタシとしては心強い限りですが、子供の声が不快な方には申し訳ないなといつも思います。
でもまた観に行く時には連れて行くことになると思いますので、お許しください。

さてその後、帰りに東京駅まで行くと大変なことになっておりました。
大雪による停電の影響で、新幹線ダイヤが乱れに乱れ、お昼過ぎの新幹線が夕方ようやく到着するという大混乱。
とりあえず来た新幹線に乗ろうということで列にならんでいたところ、それほど長く待つこともなく新幹線が到着。無事に座ることもできました。
家に帰ってみると、2日間降り続いた雪は大変なことになっており、さらにその後も降り続いて、月曜日には通勤に支障が出るほどの、この時期としては記録的な大雪でした。
いやはや。

ところで、さすがに4人連れになってきて、いよいよ出費がバカにならなくなってきました。
チケット代、交通費、食事代、お土産代、全部ひっくるめると10万円コースですからね。
次回はクルマにしてみようかなと思っています。
本多劇場に駐車場がありましたよね、確か。
それなら土曜のソワレを観てゆっくり帰る手もありかなって気がします。

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Vol.54 道化師の森 座キューピーマジック [座キューピーマジック]

座キューピーマジックの公演『Vol.54 道化師の森』を観てきました。
最近見たのが『Vol.50 黒いスーツのサンタクロース』でしたから、思い起こせばもう2年も前のお話。
…2年前ってワタシ何やってたっけ?
もう思い出せないほどの昔です。

その間キューピーマジックも、劇団からプロデュースへと大きく変わりました。
その変化を、自分の目で観て、感じて、語りたかった(爆)ワタシ。
いや、そんなことはどうでもいいから、早く癒して欲しかった…ってのがホンネですかね。
なかなか時間が取れなくて涙をのんだこの2年間。
ようやく(むりやり?)観に行く時間が取れました。

「道化師の森」

この演目を前回観たのはもう5年以上も前のこと。
その『Vol.40 道化師の森』はちょうど劇団解散の危機があった頃のことです。
座長の爆弾発言。いやぁなんか懐かしいですね。

思えば「プロデュース宣言」も、ワタシにとってはそれに匹敵する爆弾発言でした。
座長が何を描いて何を目指しているのか。それを知るためには作品を観ればわかるはず。
キューピーマジックが、どう変わって、どう変わらないのか。
期待と不安がマーブル模様…そう、ちょうどウルトラQのオープニングのように、ぐるぐる渦を巻いておりました。
そうか!ウルトラQの「Q」はキューピーマジックのキューなんだっ(ちがうって)。

そして今回は…なんと、弟くんのキューピーマジック観劇デビューっ!なんです。
オマケに新幹線も初めてで、彼にとっては非常に刺激的な旅行だったと思います。
つうか、今回の演目自体、子供にはとっても刺激的過ぎなのでは?
まいっか。まだ理解できんだろ(爆)。
ということで連れて行ったは良いのですが、やっぱり子供の声って通るんで、変なところで笑われるとこっちがヒヤヒヤして、なかなか芝居に浸れなかった部分もありました。
それでも2年ぶりということと、初のプロデュース観劇ということで、新鮮な気持ちで観ることができました。
良かった良かった。
ワタシたちと同じ回をご覧になったみなさま。もし子供を不愉快に感じた方がいらっしゃいましたら謝ります。ごめんなさい。
とは言っても、また次も連れて行きます。たぶん(汗)。

てなことで…。
いつものことではありますが、前置きが長くてすみません。

以下、ネタバレあります。
ご注意下さい。





前回の『Vol.40 道化師の森』は、かなり良かったんですよ。
脚本も役者も、とてもバランスが良くて。
あの頃のキューピーマジックは、かなり『劇団キューピーマジック』としての完成度が高かった時期だったと考えています。
なので、観ながらどうしても前の役者さんとオーバーラップして困りました。

脚本的には大きな変更はなかったように思います。
違いは演出と役者のみ。ということになるわけですが。

『キューピーマジックプロデュース』となり、一番感じたこと。
一言で言うと、役者の力量の差、というか、役の雰囲気、色、匂い?の差、というか、を感じました。
それぞれの場や幕の中でも、微妙に差があるように思いました。

じゃあバラバラだったのか?と言うとそうでもなく。
根底にあるのはまぎれもなくキューピーなんですね。
同系色でありながら、微妙に色合いが異なる…そんな感じです。

昔のキューピーマジックは、ある意味ですんごく出来上がっていた。
ワタシの中ではかなり純度が高く、澄んで、綺麗なものだったんです。

…でもね。
はっきり言うと「これはこれで何だか面白いぞ!」と思いました。



確かに、以前の完成度の高い高品質な、「劇団キューピーマジック」の公演は素晴らしい。
脚本も個々の役者のベクトルも、キチンとそろっていて、それはそれですごいことだし、面白かった。
今でも、また観たいという気持ちに変わりはありません。
4年に1回でもいいので、劇団の公演を打ってもらえるなら、絶対に観に行きます。

でも、この「キューピーマジックプロデュース」の公演も、ワタシ的には「あり」ですね。
なんだろ。この役者のデコボコ感が、逆に人間の多種多様さを感じさせるような気もしますし。
うーん、手作りっぽいところもまた、面白い気がします。
次回の公演…なんてもんじゃなく、明日の舞台も観てみたい、と思わせる何か(怖いもの観たさか?)がありますね。
それが何かはまだよくわかりませんが。

今はまだ田窪さんと紅子さんがいるので「劇団」を引きずっているとも言えるかもしれませんが、あと10年もすれば、もしかして座長が板に立たなくなる時期がくるかもしれません。
その時にはもっと「劇団」と「プロデュース」の違いが明確に感じられるような気がしてなりません。
(とはいえ、座長と紅子さんには、足腰立たなくなっても板には立って欲しい:爆)



今後、いろんな新しい役者さんたちにこの「キューピーマジックプロデュース」に出て欲しいです。
で、キューピー出身の役者がどんどん増える、と。

「あの年のあの演目は観たかね?」

「そうそう、あの人のあの役は良かったな」

なんて言って、歌舞伎のような会話が、キューピーマジックで当たり前にできるようになるといいな、と思います。



しかしまぁとっても泣けるオハナシです。
自分が親になってみると、またさらに泣けますね。

命はつながっている。
普段何気なく生きてはいますが、自分という存在の前には、無数の命がけの人生があったんです。
その多くの人生に感謝すると共に、受け継いだこの命を無駄にせず、自分もまた次の命のために命がけにならなくては、と強く感じました。
キューピーマジックから離れていたこの2年間。
つまらない日常に、いやだいやだいやだ、と思い続けてきましたが、あたらめて自分の命の大切さ、人生とは本当は素晴らしいものなんだよ、と教えられた気がします。
とても癒されました。
あと3回ぐらい続けて観てもよかった(爆)。



そうそう、いくつか疑問もあり、帰りながらの家族会議。
その後義兄はどうなったのか?
その辺は観る側に任せてるのか、説明がなかったね。
それで、ワタシたち家族の審議の結果。

「時空の割れ目に落ちた」

やっぱりそうだよね。
…では母親は?
眠っている晋平ちゃんの傍らで血だらけの姿が目撃されている。
なぜ消えたのか?どこへ行ったのか。
その問いに間髪いれずカミサン。

「それは、晋平ちゃんを一人にしたくなかったからだよ。一度は時空の割れ目に落ちたけど、晋平ちゃんが心配で、伯母さんに見つけてもらうまでそばにいたかったんだよっ」

なるほど。
こちらもさすが母親。説得力あるなー。
子を想う母親の一念は時空をも曲げるんです。
さもありなん。

帰りながら思わず盛り上がるワタシたち家族でした。



ところで、帰り道での娘の感想。
「冬なのに夏みたいに暑さを感じた」

そうそう、季節感とか空気を感じるのも、キューピーマジックお得意の魔法なんだよね。
ちゃんとワカッテルじゃん。よしよし(笑)。



いずれにしても今後の成長を見守りたい「キューピーマジックプロデュース」です。
みなさんはいかがでしたか?

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あのセリフとか…子供らにどう説明したらいいの?(汗) [座キューピーマジック]

もうじき、今年2回目のキューピーの公演…。
「Vol.54 道化師の森」ですよ〜。

2010年11月24日(水)〜28日(日)
座キューピーマジック公演「道化師の森」
場所:下北沢「駅前劇場」
公式サイト:http://cupid-magic777.com/

今回は行きますっ!…たぶん。
いや、絶対に行きますとも。
もう、2年ぶりですよ。
信じられないっ。
よく今まで耐えてこれた。
自分を褒めてあげたいです。

チケット頼んじゃったもん。それも4枚。
ワタシとカミサンと子供二人。
そうです。
弟くんの観劇デビュー〜〜〜っですぅ。

…うるさくしないかなぁ。
大丈夫かなぁ…とっても心配。
よーく言い聞かせますので、どうかよしなにお願いします(汗)。

それにしても、今回の演目。
出だしからちょっとエッチな感じなんです。
うーん、良いのだろうか?

小学生なんですけど(爆)。


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次こそは [座キューピーマジック]

座キューピーマジック次回公演のDMがきました。

5月19日(水)~23日(日)
下北沢「劇」小劇場

演目は「大きな銀杏の樹の下の小さな泉」です。
何だか凝った演出もするみたいですよ。

去年は1回もキューピーを観にいけませんでしたから、今回は何としても行きたいっ。
この演目って、カミサンは一度も観たことがないんで、ぜひ観てもらいたいし。
ワタシだってキューピーは1年半くらい観てません。
もう限界を通り越して危険な状態ですぅ。

なんて言いつつ、こんな時間に会社にいるワタシって…(泣)。


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興味津々 [座キューピーマジック]

DMを見て驚きました。

「劇団からプロデュースへ」

大きく方向転換をした座キューピーマジック。
いや、おそらく座長の頭の中にはずっとあったんでしょう。
そういう意味では「転換」ではなく「進化」なんですね。
古くからの方達がいなくなっちゃうのは寂しいですが。

5月20日(水)〜24日(日)
座キューピーマジック公演 「グッドバイ」
下北沢「劇」小劇場
公式サイト:http://cupid-magic777.com/



残念ながら今回は都合がつきません(泣)。
観たかったのに。

「グッドバイ」といえば14年前に一度観ています
が、実を言うとあんまり面白くなかったんです。
あんまりドタバタ過ぎて、ついていけなかった…。
元々ハートウォーミーなところが好きで観に行ってた部分があったので、それのないキューピーってのが受け入れられなかったのかもしれません。
今の自分が観たらどう感じるのか、とても興味があります。

座キューピーマジックプロデュース初作品、そして「グッドバイ」。
今までのキューピーにグッドバイ、ということだったり?
ま、それは深読みですが。

キューピーがどう変わるのか、どう変わらないのか。
今の自分が「グッドバイ」をどう感じるのか。
ぜひ観てみたかったです。
残念。

だれか感想を下さい(爆)。


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Vol.50 黒いスーツのサンタクロース:番外編 座キューピーマジック [座キューピーマジック]

Vol.50 黒いスーツのサンタクロース

ということで、ワタシとカミサンのほか、『Vol.47 プリズマティック・オーシャン』でキューピーデビューした娘(9歳)と、3人で行って来ました。
ちなみに娘は、座長、田窪一世の大ファンです(笑)。



今回2回目の観劇となった娘でした。
客出しの際にそっと

ワタシ「田窪さんと握手でもしてもらったら?」

娘「えー、いいよぉー」

なんて言って、ワタシが田窪さんとお話している間、ずっとワタシの影に隠れておりました。
そのくせ、帰りの電車の中では

「もし『田窪さんのファンです』って言ったら、田窪さん泣いちゃうかな…」

なんて…(笑)。
やっぱり話したかったんじゃん。

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Vol.50 黒いスーツのサンタクロース 座キューピーマジック [座キューピーマジック]

座キューピーマジックの公演『黒いスーツのサンタクロース』を観てきました。
前回公演『Vol.49 ライフ』の感想で書きましたが、キューピーマジックは今年20周年です。
それがさらに今回の公演はVol.50。
20周年&50回目という、ダブルで記念すべき公演です。

これはもう行くしかないっしょ。
ということで、ワタシとカミサンのほか、『Vol.47 プリズマティック・オーシャン』でキューピーデビューした娘(9歳)と、3人で行って来ました。
ちなみに娘は、座長、田窪一世の大ファンです(笑)。

お昼に入ったお店で時間を食ってしまい、劇場に入ったのは開演直前。
椅子はすっかり埋まっていて、いっぱいいっぱいでした。

そうそう、娘と同年代の男の子がいましたね。
ウチと同じでご両親と一緒のようでした。
昔はアベックか関係者の友人かご家族くらいだったような気がしますが、今は家族連れですからね〜。
客層がどんどん高齢化してる?(爆)

キューピーマジックと言えば黒サンタが代表作。
それはきっと一番再演回数が多いからでしょうか。
一時期は、年末には毎年黒サンタでしたから。
ワタシも演目別で数えるとやはり黒サンタが一番多いでしょう。

が、今回は4年ぶりの公演。
もしかして黒サンタは初めて、なんていう最近の人もいるかもしれませんね。

さて今回は前置きはそれくらいにしておきます。
以下、ネタバレあります。
ご注意ください。





いつも凝ったセットだなーと思うのですが、今回もとても凝ってました。
場面転換などは舞台ごと回転したりして。
その内に、下からせり上がったり、上から降りてくるようなセットも作りそう?
なんて冗談はともかく、もう大道具さんの力作にビックリです。

いつもと変わらず、とてもリアルな演技のキューピーマジック。
現実の出来事を目の前で見ているかのようです。
今回もとてもすてきな公演で、鼻水ズルズルすすりながら観ておりました。

が…。

死神「あなたが生まれてからのことが全部この本に書かれているのです」

娘「何にも書いてないし(ぼそっ)」

ワタシ「…(そこつっこむなぁ:汗)」

と、ヒヤヒヤしながら観てました。





何度も観ている黒サンタ。
ストーリーはすっかりわかっていて、先は読めるくらいなのに、いつ観ても新しい発見があります。
それは、今まで気づかなかったのか、演出の意図があるのか。

今回はなんかテーマがあるのかな?と思いました。
途中で気づいて、あっこれ書こう、と思っていたら、その後で台詞に出てきました。

「頑張らない勇気」

ワタシが思った言葉がドンピシャリで出て来たので逆になんだかベタな感じがして…。
もちょっと観る側に任せてくれても良いのに、とも思いましたケド。

でも、ワタシは今までの黒サンタで、この印籠の勇気がどんなものなのかなんて、考えてもみませんでした。
そういう意味ではワタシにとっては新しい切り口でしたね。

勇気かどうかは別として、「頑張らない」という考え方はワタシがキューピーから教わったことです。
それまでずっと肩肘張って無理して生きてきたワタシ。
いつも「こうあるべき」という考え方にとらわれてきました。
しかしそれはキューピーマジックに出会って大きく変わりました。

「頑張らない」

「肩肘張らない」

「力まない」

「無理しない」

「だらしない」…(爆)

最後のは冗談ですが、要は「自然体」ということでしょうか。
人間って元々が怠け者(ワタシだけ?)ですから頑張らないと怠けちゃう。
これを「エントロピーの法則」と言います(すみません理数系で:爆)。
そんな強迫観念で、自分をがんじがらめにして生きていると、どうにも余裕がないんです。
周りを見る余裕がない。
自分のことで精一杯になってしまうんです。

怠け者になってしまうから無理して頑張るのではなく、自分が怠け者だと認めてあげることが必要なんです。
怠け者にならないように頑張るのではなく、怠け者として頑張れば良いんです。

等身大の自分を自分自身で認めてあげる。
それが大切なんですね。
でも簡単なようでいてそれが一番難しい。
だから「勇気」が必要なのかもしれません。
死神が伝えたかった勇気とは、そういうことだと思います。




さて、以前の感想でも書いたのですが、もし相手が男だったとしても死神は同じことをした、そんな気がします。

絶望した遥子を死神は、死神の親分(?)の所に一度は連れて行きます。
でもそこで死神は言います。

「そんな寂しい気持ちで死んじゃだめだ」

もっと優しい、暖かい気持ちで(死な)なくちゃ、と。
しかし、その言葉は物語の最後で、死神自身に帰ってきます。

声を失った死神は塵となって消えていく前に、もう一度だけ遥子の所に会いに行きますね。
そこで遥子が持っていた印籠を見て優しい笑顔を見せ、そして消えていきます。
結局、暖かい気持ちで死んでいったのは死神自身でした。

遥子が暖かい気持ちで死んでいけるようにしたことで、自分こそが暖かい気持ちで死んでいけた。
遥子のためにしたことが、知らず知らずのうちに実は自分のためでもあったわけです。

「情けは人のためならず」

これまたベタな表現ではありますが、この物語の奥底には、そんなメッセージもあるような気がしてなりません。
皆さんはいかがでしたか?

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Vol.49 ライフ 座キューピーマジック [座キューピーマジック]

座キューピーマジックの公演、『ライフ』を観に行って来ました。
今年、キューピーマジックは20周年だそうです。なんだかんだ言っても、続いているってことだけですごいですね。一時は予算不足で幕が開かないとか、解散の危機とかあって、どうなることかとハラハラしたものです。(遠い目:笑)

ワタシは、カミサンと知り合ったおかげでキューピーマジックを知りました。劇団創設以来というわけではありませんし、地理的な都合上、見られなかった演目もたくさんありました。それでも最初に観た『Vol.12 四人姉妹』から数えると、早いもので16年にもなるんですね。
この16年間の途中途中で、ワタシはキューピーマジックに教えられ、諭され、そして癒されてきたのですね。



16年前の当時、インターネットにキューピーマジックについての情報などほとんどなく、わずかに演劇サイトで劇評を1箇所見つけることができただけでした。
キューピーマジックの素晴らしさを他の人にも知ってほしい、そんなことからファンサイトを立ち上げたりもしました。不躾にも劇団に電話をかけ「サイトで紹介したいから画像の使用許可をくれ」と言ったところ、二つ返事で了承してもらったりして。

それなのに、ClubQ(旧ファンクラブ)への入会を勧められた時などは、「面白くなかった時に面白くなかったとサイトに書くためにも、劇団とは馴れ合いたくない」などと言ったとか言わないとか(汗)。今から考えるとまったく礼儀知らずと言うか何と言うか、穴があったら入りたいけどお腹がつかえて入れない…。
ま、若気の至りってことで、勘弁して下さい。

そんな感じで、思ったことをずけずけ書いたサイトだったのに、定期的に観にきていただく方もあり、そんな方々を対象に演目の人気投票なんてやってみたりもして。投票総数なんてたかがしれてるんですが、それでも何でも、サイトを見に来てくれる人がいて、その人たちの嗜好がわかるんだと思うと、ちょっとドキドキしてうれしかったものでした。

その後、時代も変わり、サイトもblogに移ってキューピー色は薄れてしまいましたケド、その時その時の観劇の際に感じたことは、忘れないようにつらつら(クドクド?)と書き残して参りました。このキューピーマジック観劇の感想文(劇評ではありません)は、キューピーマジックの歴史であると同時に、ワタシの人生の歴史でもあります。
最近は気力が足らず、サボりがちのblogではありますが、キューピーマジックが公演を続ける限りは続けていきたいと思っています。



で、今回の観劇。
実は最近、予定がいろいろと目白押し。

「またソワレか?」

「そうすっと帰りの時間がなぁ」

「ちょっと無理かなぁ…」

と思っていたところ、何と日曜日の楽ステは時間が早いではないですか。これなら新幹線の最終を気にしなくても、ゆっくり帰ってこられる。
20周年のキューピーが、ワタシのため(?)に用意した粋な計らい。何とか予定をやりくりして、ヘロヘロになりながらも、カミサンと二人で行って来ました。


と、人間、歳を取ると話が長くなっていけませんね。
長い前置きはいつもの事ですか…。

以下、ネタバレあります。
ご注意下さい。



記念すべき20周年公演は、新作『ライフ』。
人生をもう一度やり直せたら…と言う、人生に疲れた中年女性のお話です。

舞台は、公園のベンチと、中年女性の家の居間、そして時間も過去と現在を行ったり来たり。それでも物語の進行に違和感なくキチンとついて行けるのは、うまく練られた脚本と演出があってのことでしょう。暗転は少なく、あえて役者の入れ替わりを観せて行う場面転換は、キューピーとしてはちょっと目新しく感じました。

いつものキューピーの舞台とは一味違い、爆笑を誘う場面はなく、落ち着いたと言うかシリアスと言うか。とは言え、重い場面をつなぎながらも暗くなり過ぎず進んでいく舞台は、さすがキューピーといったところでしょうか。
ボケどころのない岡野佐多子、笑わせどころのない鶴屋紅子、って初めて観たような気がします。
それにしても、舞台にすごい重厚感ありましたね。

帰りながらカミサンの感想。

「削ぎ落として削ぎ落として、言いたいことだけ残したって感じ」

「余計なところがなくって、直球勝負だったね」

確かに無駄なところは何もなく、心にストレートに語りかけてくる、そんな芝居でした。



ところで、今回のこの演目。
なぜか最近のワタシが考えたり悩んだりしていることとシンクロしています。
いや、これに始まったことじゃない。

「ワタシのためにやってる?この芝居」

今までの公演でもそう思うことが数限りなくありました。
そして今回もそうでした。


実は最近しばらく体調が悪いんです。
肩がこったり、胸が痛かったり、背中が痛かったり。
息苦しくなったり、めまいがしたり。
原因はわかってるんです。多分。

鬱ですよ、ウツ。
ま、そこまで深刻じゃなくても、きっと精神的なもんだと思っています。

実は、昨年の4月から仕事内容ががらりと変わりました。
それまでワタシは、働き始めてからというもの、会社が変わろうが部署が変わろうが、ずっと技術職でした。技術職一筋25年。どんな職種についた時も独学で何でも勉強して技術を物にしてきました。今では技術的なことなら、自力で何とかできるという、技術者としての自信がありました。


それが昨年から、何と「事務職」です。
技術職から事務職へ。これはツライです。右も左もわからない。
つうか、事務職なんて、はっきり言って魅力がないし。

「何であの時、断らなかったんだろう」

「あの時、断っていたら…」

ずっとそう思ってきました。
断ることもできたかもしれません。
でも、外堀を埋められてて。
確かに会社としては、それが一番合理的な人事でした。
そして会社がワタシに期待していること、それも良く理解できました。

で、今のワタシがここにいます。

「いつ辞めようか」

「今辞めたら再就職が難しいな」

「家族を養うには我慢するしか」

そんなことを考えながら出勤する毎日が1年間続きました。
そのうちに、会社に一歩入ると息苦しくなるようになりました。
朝起きると肩が痛くなり、さらには背中が痛むようになり、ぐるりと回って今度は胸が痛くなるようになりました。

「やばいな」

自分でもそう思いました。
精神科に…とも思いましたが、勇気がありませんでした。

そんな時、何かの本だったかホームページだったか忘れましたが、こんな内容を目にしました。
確かコミュニケーション能力を高めるたぐいのものだったと記憶しています。

「誰かのせいにしていると、嫌いな人がどんどん増える」

「きっかけは誰か・何かでも、最終的に決めたのは自分自身だ」

「決めた自分に責任を持て」

そんな内容だったと思います。
それを目にして、少し気が楽になりました。
肝が据わったとでも言うのでしょうか。

「最終決定者は自分」

そう思うと何でも出来そうな気がしました。


そんなことを知ってか知らずか(知らないって:汗)。
今回のキューピーは、まさにそれがテーマでした。
まるでワタシの悩みを知っているかのようでした。
田窪一世はワタシの人生をネタにしたのか、とさえ錯覚しました。

「自分の人生は自分のもの」

「誰のせいでもない。自分が決めたこと」

静かに、そして確かに、老人はワタシに語りかけているように感じました。
泣けました。


生き返った母親が昔の夢を思い出して望遠鏡を買ってくるラストの場面。
キューピーらしい優しさと暖かさを感じました。

「人生はやり直せる」

この芝居はそう伝えたいのだと思います。
自分自身がそう決めさえすれば、いつでも、そこから人生をやり直せる。
遅くなどない。
間に合わないことなど何もない。

「自分が決めさえすれば」


という事でワタシは決めました。
事務職だって、これからのワタシの夢の実現に役立つことがあるかもしれない。そうでないかもしれないし、そうかもしれない。でも今のところは、経営を勉強する良い機会と思って、もう少し続けてみよう、と。
体の調子はまだイマイチですが、気分的にはずいぶん楽になりました。


帰りがけに田窪さんとお話しました。
田窪さんは

「黒サンタとは対照的に、ダークな感じを出したかった」

とおっしゃってました。
それでもそこに何となく暖かさを感じるのは、それがキューピーらしさだからなのでしょうかね。


Vol.20 愛をあたえることに疲れた天使と、愛を奪うことに疲れた魔女の物語』と並んで、今回の『ライフ』はワタシの人生の転機に大きく影響を与えた演目として、いつまでも記憶に残ることでしょう。もしかしたら、ワタシは死なずにすんだ?のかもしれません。(キューピーマジック、命の恩人説?)素敵な舞台を観せてくれた劇団の皆様には、感謝するばかりです。
帰りがけに神野さんに「ありがとうございました」と言ったらきょとんとされました。
それでも何度でもワタシは伝えたい。

素敵な舞台をありがとうと(合掌)。


そんなこんなで、ワタシは今回も心の洗濯が出来ました。
みなさんはいかがでしたか?

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Vol.48 ムーンライト・セレナーデ 座キューピーマジック [座キューピーマジック]

座キューピーマジックの公演『ムーンライト・セレナーデ』を観に行ってきました。
前回の公演『プリズマティック・オーシャン』に、カミサンの代わりに娘を連れて行ったところ、本人はとっても喜んでいて「また行きたい」と言っていましたが、今回は都合でソワレを観るしか予定がつかないため、子供は家でお留守番にしました。

なんせソワレは19:30開演。
公演が2時間とすると終演が21:30、最終の新幹線が東京駅発22:24。
なかなかちょうどいい時間なんです。
これで終演が10分とか20分とか延びるとかなり厳しい。
下手すると下北沢で走り、新宿駅で走り、さらに東京駅で走ることになりそう。

いやそれどころか、もしかしたら最終に間に合わなくて、泊まって次の日の始発で帰る(翌日の予定の関係で)なんてことになる可能性もあり。
ということで、子連れはちょっと…。
久しぶりにカミサンと二人だけ、愛の逃避行(そればっか:汗)となりました。

ところで今回の演目、7年ぶりですって?
いつの間にそんなになっていたんでしょうか。

てぇことは『愛をあたえることに疲れた天使と愛を奪うことに疲れた魔女の物語』という昔のタイトルを知っている人なんて、かなりレアなファンなんでしょうね。
キューピーマジックという劇団、どの演目も面白くて好きなんですが、この演目は特に思い入れ深い演目です。
ちょうど結婚1年後くらいに観たのが初めてだったので、その時は自分の結婚観が変わるくらいの衝撃を受けたものです。
それ以来、再演を観るたびに当時の気持ちを思い出したりして…。
今となってはワタシにとって、なくてはならない、とても大切な演目になっています。

前置きはこれくらいにして。
以下、ネタバレあります。ご注意下さい。



今回はとても趣向を凝らしたというか、細かいところにこだわった、という印象を受けました。

主人公の緊張癖にしても、以前は『足がバッテン』だけで表現されていたような?
それに吃音をまじえて表現するというのは今回が初めてじゃないでしょうか。
吃音を真似るってのは実はとても難しく、大げさだとワザとらしくて耳障りだし、足りないと緊張感が伝わらない。
なかなか難しい演技に挑戦しているなぁと思いましたが、実際、吃音の表現はとても自然で緊張癖をよくあらわしていました。
人によっては聞き苦しいと感じた人もいるかもしれませんけど、ワタシにとっては逆に台詞が長い時の方が違和感ありました。言葉に詰まる時とガーッと勢いで喋る時との差がありすぎて…。
ま、いずれにしても、今までとはちょっと違う新しい主人公像を感じました。

…って言うか、あれって演技だったんですよねぇ?
マジでかんでた訳じゃないでしょう?(爆)


この恋もまた失敗するんじゃないか、と苦悩するヒロインの辛さ。
中絶した女子高生の悲しみ。
もてあそばれた(爆)中年女性の憤り。

以前はもっとこう、何て言うか…、悪く言うと、無遠慮に胸の奥の感情をわしづかみにされるような感じを受けたような気がしますが、今回の公演はどちらかというと控えめというか、優しいというか…、逆に観ているこちら側が心を開いていきたくなるような、そんな感じを受けた公演でした。
う〜むぅ、ボキャブラリーが少なすぎ。
何か上手く表現できなくてもどかしいですね。

ともかくこの劇団、やっぱり優しいんだなぁ。
基本的に人間を見る眼がとても優しい。
だから安心して観られるのか。
だから構えなくていいのか。
だから自分のことでさえ好きになれるのか。

観ていてとても癒されます。
胸がほんわか温かくなって、暗転の中で何度も一人ニヤけておりました。
やっぱり来て良かった…と。


だんごっぱな。さんのblogを拝見しました。
演ずる側って大変な葛藤があるんですねぇ。
そんなこと観ていて全然わかりません、と言うか、それなのにそういうところも微塵もださずに普通に、ただただ普通に観せる、それがスゴイと思います。


ところで、保険勧誘員のオバサン。
まだ若いのにとってもオバサンしてました。
さらに、ヒロインを抱きかかえて場を去るところなんて、大爆笑っ!でした。
思い出しただけでも笑えます。
これでホントのオバサンになったら、どんなオバサンになってしまうのか。
大きなお世話でしょうが、オジサンはとっても心配です(笑)。


ワタシやっぱり、この演目が大好きです。
結婚間近の人、新婚の人、新婚当時を忘れつつある人、もう既に思い出せない人(笑)。
そんな人は是非二人そろって観に行ってもらいたい。

舞台の上には自分がいます。
傷つき、傷つけられ、悩み、苦しんで、それでも懸命に生きている自分が。
不安を抱えて付き合っていた頃、結婚を前に悩んでいた頃、そんな頃の自分に、優しくエールを贈ってみてはどうでしょうか。
キューピーマジックの舞台を観ると、人間が、自分が好きになります。
自分も、家族も、他人も、とてもいとおしい。
自分を嫌っている人さえも。

帰り道、カミサンに言いました。
「劇場にでっかい風呂敷をかけて役者ごと持って帰りたい」
マジでそう思いました。
みなさんはいかがでしたか?

元気が出たところで、お帰りはコロシアム。
逃げずに戦いましょう(爆)。





帰りの新幹線、ですか?
おかげさまで何とか間に合いました。
時間がないので、出口付近の席を陣取り、アンケートは観る前に書いておいて後は出すだけ、客出しでは役者さんとお話したいのをグッとこらえて、ダッシュで帰りました。
実は前日のソワレに東京の知人が観に行ってまして「良かったよぉ〜っ」ってメールをくれたんで、そこで何時に終わったのか聞いておいたんです。
Webの路線検索を駆使して、前日から何度もシミュレーションしたので、何とか大丈夫でした。



でも…帰宅は25:00。
次はやっぱりマチネにしよう。


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Vol.47 プリズマティック・オーシャン 座キューピーマジック [座キューピーマジック]

またまた友人夫妻と連れ立って「座キューピーマジック」の公演を観に行ってきました。
いつものパターン、土曜日のマチネです。

ただ今回はカミサンが仕事のため同行できず、代理に娘(7歳)を連れて行くことにしました(笑)。
娘にとっては初めての新幹線、初めての東京、そしてはじめての観劇です。
新幹線や観劇中など、長時間ずっと静かにしていられるのか、とても心配でしたが、新幹線ではiPodに入れた「カリオストロの城」を見せていたおかげで、飽きて嫌になることもなく何とか東京までたどり着くことが出来ました。ホッ。

ところでウチの娘は、なぜか番組名や作品名や役柄の名前は覚えても、役者の名前などはなかなか憶えません。
憶えている役者を強いて上げれば…。

「ペ・ヨンジュン」(爆)

そして…

「田窪さん」
(座キューピーマジックの座長さんです)

なぜか一時期、田窪さんが出演した番組を録画したビデオを、毎日のように見てました。
親のほうが「また見てんのぉ?」とあきれるほどでしたね。
ちなみにお気に入りは「姫様事件帳」。
田窪さんは犯人役です(爆)。

ま、それはそれとして、そんな父娘の珍道中でした。
娘の身長では人の後ろになると見えないので、最前列ど真ん中を陣取りました。
もしかして板の上からでは目立っていて役者の方々はやり難かったりしたかもしれませんね。
申し訳ないことです。

肝心の彼女の初観劇はというと。
結構笑いのツボにはついてきてましたね。
しかし子供の笑い声って目立つので、微妙なシーンで笑われると冷や汗もんです。
親としてはドキドキしながらの観劇となりました。

今回の公演は前回の「Vol46. 想い出のテラス」に引き続いての新作です。
さらに脚本は神野恵子。
今まで豆公演*1では、団員の作品、団員の演出というのは存在しますが、私の知る限り、本公演での団員作品というのは、キューピー史上初めてではないでしょうか。
*1:正式には「豆キューピット」

神野作品では以前に豆公演で「Vol.9 シオン」がありました。
とても良い公演だったこともあり、今回も見逃せないぞっ、ということになった訳です。
残念なのはカミサンが行けなかったこと。
今回のテーマは「女性」だそうで、女性側視点での感想も聞きたかったな。

ということで、いつもどおり長い前置きで申し訳ありません。
が、今回は前置きがさらに続きます。
かなり長くなると思いますが少々お付き合い下さい。



実はこの公演を観ていて二つほど思い出したことがあります。
日頃の慌ただしさにかまけて、もうすっかり忘れていたことです。
この感想を書く前にまずはそれを書かないといけない気がしてきました。
恐らく今の私を知る人には信じられないと思いますが。
自分でも信じられないですもん(笑)。


思い出したことの一つは、独身時代の私。
その頃私は、赤ん坊も含め子供というものが大嫌いでした。
自分勝手でワガママで時と場所を選ばずやかましくて。
電車などで子供が騒いでいると「やかましーなこのクソッタレ」と心の中で毒づいたりしていました。
うーん、嫌いだったのは子供だけじゃないですね。
自分も含め人間が嫌いだった、と言ったほうが正しいかもしれません。
blogタイトルとまったく逆だったわけです。


そしてもう一つ思い出したことは、結婚してから子供が産まれるまでのこと。

結婚はしたものの、正直言うと、どうしても子供が欲しい、という気持ちはありませんでした。
そのせいなのか何なのか、なかなか子供は出来ませんでした。
でも周りから言われるんですよね。

「子供はまだ?」

「子供作らないの?」

「作るなら早いほうがイイよ」

そういうありがた迷惑な言葉はまだマシ。

「作らないの?出来ないの?」

「出来ないならオレが代わってやろうか?」

そういう気遣いの微塵もないような言葉をいくつもかけられました。
しかしそれも、4年、5年と経つと徐々に変わり、だんだんと子供関係の話題があえて外されるようになります。
ま、私は男ですからまだ我慢も出来ます。
しかしカミサンは、恐らくもっとツライ、悔しい思いをしていたはずです。
ベッドの中で二人して抱き合って泣いたこともありました。

「出来ないなら出来ないであらかじめわかっていたほうがいい」

そんな思いもあり、夫婦して不妊検査を受けることにしました。
一般的にはダンナ側の検査は嫌がる人が多いらしく、カミサンは自分の検査結果を診てから、私に検査を受けてもらおうと思っていたようでした。
ま、確かに誰でも抵抗はありますよね。
しかし夫婦は対等であるべき、という私の信念もありましたし、カミサンのツライ状況は私なりに理解していたつもりなので、カミサンの検査と一緒に私のほうも検査してもらいました。
私だけ逃げるようなことはしたくない、という気持ちも強かったように思います。

そしてその結果は…どちらも異常なし。
その後、不妊治療が始まったとたんに妊娠が発覚するという、笑い話のような、何だか拍子抜けするオチでした。
そんなこんなで、望んでいたのかいなかったのか、わからないような状態で、私は親になったのでした。

不安はありました。
元々自分が嫌いだった私が、人の親になろうというのですから、なおさらです。
でも、カミサンのお腹の中でジワジワ育ってくる命を毎日眺めるうち…。
何だろう、うまく説明できませんが、とてもいとおしく、大事に思えてくるようになりました。

今にして思えば、結婚してすぐに子供が出来たとしたら、今とかなり違った感情を子供に持っていたはず。
あの体験があったからこそ、あの苦しみ悲しみがあったからこそ、今の私がいるし、今の親子関係があるのだ、とそう思っています。

今回の公演を観ていて、私はそんなことを思い出していました。
観劇の感想にこんな前置きは意味不明ですが、この件はいつか記事にしようと考えていたこともあり、あえて書かせていただきました。
さてさてこれでようやく長い前置きは終わりにします(汗)。
以下、ネタバレあります。
ご注意下さい。





物語には、妊娠して幸せ絶好調の女性、妊娠はしたものの産みたくない女性、結婚を目前にして子供を欲しがっている女性、子供は欲しいが産めない女性、子供を産もうにも身体は男の女性(笑)など、これ以外のパターンはもう無いかも?と思うくらいの様々な女性(一部男性:爆)が登場します。
それに登場人物と母親との確執なども絡みつつ、女性の物語は進んでいきます。

とまぁ、文字で書くととっても重いお話。
行けなかったカミサン用に台本を買って帰ったのですが、後で読み返すと、やはりやり方によっては大変重苦しい舞台になりそうな微妙な脚本。
それなのにこの公演ではとってもライト…と言うか、とても優しく淡く描かれていて、消化不良を起こしたり、後味が悪くなるようなことはありませんでした。
個々の人物に必要以上に感情移入させず、少し広い視野でいろんな人生を見渡させる。
それが、この芝居の見せ方なのかな、と思いました。

そこで先に長々と書いた昔の思い出が出てくるわけです。
なにそれ?って思われるかもしれませんね。
うまく言えませんが、私にはこの登場人物たちの人生の重みと自分の過去の体験が、同列に感じられたのです。
それだけ登場人物の存在感があった、ということなのかもしれません。
存在感…うーん、ちょっと違う。
同じ存在感でも内面の存在感…かな?
悩み、悲しみ、辛さ、そんな感情が、自分のとほとんど同じ重みで感じられました。
自分の昔の体験が、そのままではないにしろ、登場人物たちにも同じように存在する。
あぁやっぱりうまく表現できないな。
たぶん芝居の登場人物としてではなく、本当に実在する人物みたいに感じられてたんだと思いますね。
人間はそれぞれがみんな苦しみ悲しみをどこかに抱えて生きているんだな、って感じました。

それにしても、よくぞまぁこんな感想を引き出せるもんだ。
脚本の出来がすごいのか、演出がすごいのか、役者たちの技量がすごいのか。
私にはわかりませんが、すごいとしか言い様がないです。
さらにすごいのは、この脚本を書いた神野恵子という人は、結婚もしてなくて、子供もいないハズの独身女性(あんまり言うと刺されそう?:爆)だということです。
いったいこの人って何者なんでしょうね?

この際だからイジワル書いちゃいますが。
もしもこの人が結婚したり(しなくてもいいけど)、もしも子供を産んじゃったりなんかしたら、その際はもう一度同じテーマで戯曲を書いてもらいたいですね。
もしも、もしも…ってあんまりもしもと書いたらそれこそ東京湾に沈められそうですケド(汗)。
ここは「ぜひ」と書きたいところですが、この芝居のようにそう出来ない女性もいるということで、それに配慮しつつ「もしも」(シツコイって?:汗)と書いときます。

えっと、冗談はさておき。
前置きで書いたような、そんな経験のせいか、どの登場人物の気持ちも、手に取るようにわかります。
ご覧になった女性の中には、あのダンナがとってもヒドイ、鬼のような人間、と思われたかたも多いと思います。

「子供?別にいらないよ。ま、出来たんならそれでもいいし」

という気持ち、私もよくわかります。
私も昔はそう思うこともありましたから。
でも実際に子供が産まれてみて、私の考えは大きく変わりました。

深夜の授乳後のゲップや、夜泣き対応は、もっぱら私が引き受けましたし、ウンチのオシメ替え、散々噛んだあげく飲み込めなかったご飯をもらって食べたり。
昔の自分から見たら信じられないことも、今は何の苦も無くやってます。

昔と180度変わってしまった子供に対する思い。
なぜでしょう?
やはりあの時の苦しみ悲しみが私を親にしてくれたのかもしれません。
そんな思いが、この公演を観てさらに強まりました。

赤ん坊、子供、大好き。
この世に新しい命を産み出す。
こんなにステキなことはない、と思います。

世の中の妊娠した女性に言いたい。
子供と仕事?
それは天秤にかけるようなものではありませんよ、と言いたい。
元々土俵が違うものなんです。
二者択一するものじゃないんです。
子供が嫌いだった私が言うんだから間違いありません(笑)。

もし産める状況なんだったら、ぜひ産んで欲しい。
だってこれは女性にしか出来ない特権なんですよ。
それを意図的に避けるなんて、もったいないじゃないですか。
だいたい、仕事なんてオトコでも出来ることでしょ。
子供を産むことは絶対に女性にしか出来ないんです。
できることなら私だって産んでみたい(爆)。

それにしても、いつもの事ながら自然な演技に釘付けですね。
妊婦が死産だったという場面では、凍りついたその場の空気さえ本物に感じましたし。
最前列であまりにカウンターに近かったせいか、実際にお店の中にいる気にさえなってきて、無性に喉が渇いてしょうがありませんでした。

さらに感心したのは、いつもにも増して凝ったセットです。
柔らかくアーチを描いた大きな窓。
そしてその向こうの空。
あれってホリゾントどうやってたのでしょうかね。
横からかな?なんて思ったのですが。
その昔、演劇などかじってたカミサンがいたら、聞いてみたかったところです。

そういえば、娘が産まれた日も、とてもいい天気でした。
病院の窓から見上げた晴れ渡った青空を今でも憶えています。
携帯で写真を撮ろうとして、病院に入る時に電源を切ったのを思い出し、後で撮ろうと思ったはいいが、そのまま忘れてしまったこと(爆)。
そんなことまで思い出させてもらいました。

どこまでが台詞でどこからがアドリブなのか、全然わからないキューピーの舞台。
今後も見逃せそうにありません。
皆さんはいかがでしたか?




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